本八幡の整体、風の整体院の岩田です。最近は、ガンなどの大きな手術の前後には、歯科医院で口腔ケアを行うことが推進されています。これは、口腔内の細菌を減らしてきれいにしておくと、術後の回復によい影響があるということがわかってきたからです。東京大学の研究では、ガン手術を受ける患者に、歯科医による術前口腔ケアを行ったところ、術後の肺炎の発症率及び30日以内の死亡率が減少したということが報告されています。ガン手術を受けた後、患者は体力が低下して肺炎を発症しやすくなります。原因は、口腔内の細菌を含む唾液を誤嚥してしまうことです。そのため、歯科医によるケアで口腔内の細菌量を減らして、肺炎の発症を抑えようというものです。数字的には、0.5%程度の減少ですが、術前口腔ケアの有用性に期待がもてるのではないでしょうか。また、岡山大学の研究では、集中治療室に入院中の患者に、より念入りな新しい口腔管理を行ったところ、術後1週間での38℃以上の発熱日数が半減したという結果が明らかになっています。これは、従来行っていた歯磨きのケアに加えて、歯間ブラシによる歯間の管理、薬剤併用による口腔粘膜管理も行ったことで、発熱日数が平均4日から2日に短縮されたというものです。重症な患者でも、十分な口腔ケアによって細菌を減らすことが、症状の回復に結びつくというのは、当然といえば当然という気もします。ともあれ、データがはっきりと証明してくれたのは朗報です。データをもうひとつ。口腔ケアが誤嚥性肺炎の予防に有効なことは入院患者などについての多くの研究で明らかですが、一般高齢者を対象にしたのが東北大学の調査です。地域在住の高齢者7万人を調べたところ、義歯を毎日手入れしない人は、毎日手入れをする人と比べて、過去1年間の肺炎の発症リスクが1.3倍高かったそうです。しかも、75歳以上に限定すると1.58倍まで上がります。口の中は、自分の歯だろうと、義歯であろうと、ケアをしっかりしてきれいにしておくことが命を守るポイントになりそうです。
コメントをお書きください