本八幡の整体、風の整体院の岩田です。「よし、やるぞ!」というときに、昔はペッと両手に唾を吐きかけて…という姿が、時折見受けられました。これは、何か道具をもつ手がすべらないように、すべり止めの目的で行われたようですが、万全の態勢で気合を入れているわけですね。今なら、こんなことをやると「うわっ、キタナイ~」と嫌がられそうですが、気合が入るのはわからないでもありませんね。気合が入っている場合だと、自律神経の交感神経が優位になっているということですから、唾、つまり唾液は少々出にくくなっています。ストレスを感じているときと同様に、粘り気のある唾液になっているはずです。これは「粘液性唾液」と呼ばれています。このネバネバの正体は、ムチンというタンパク質の一種です。この成分は、口から侵入してきた細菌などをブロックする役目をしています。と同時に、口の中の粘膜を保護したりするなど口と体を守る大事な働きをしています。一方、食事をしているときなど、副交感神経が優位のリラックスしている場合には、サラサラした唾液が多く分泌されます。これは「漿液性唾液」と呼ばれ、唾液アミラーゼなど消化酵素をたくさん含んでいて、消化吸収をサポートする役割があります。特に、食べものと混ざって水分を与え咀嚼をしやすくすると同時に、飲み込みやすくして食道へスムーズに送り込むのも、この唾液の働きのひとつです。このサラサラの唾液のほうは、主に耳下腺、顎下腺から分泌され、粘り気のある唾液のほうは、主に舌下腺、顎下腺から分泌されています。唾液は99.5%が水分でできています。水分以外の残りの0.5%は、カルシウム、リン酸、ナトリウムなどの無機成分と、ムチンやIgA、ラクトフェリン、リゾチーム、アミラーゼなど免疫や抗菌の有機成分が含まれています。ほとんどが水分なのですが、有能な成分の働きによって、サラサラだったり、ネバネバだったりうまく使い分けながら体をサポートしてくれているのです。
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