本八幡の整体、風の整体院の岩田です。大事な仕事のプレゼンのとき、また大勢の人たちの前でのスピーチで、緊張のあまり口の中がカラカラに渇いたという経験のある人も多いのではないでしょうか?あるいは、大きなミスをしでかした、アクシデントに巻き込まれた…等々、日常の中でも、口が渇くことはそう珍しいことではありません。私たちの体には生理的な活動を無意識にコントロールする興奮系の交感神経と、リラックス系の副交感神経という「自律神経」が備わっていてバランスをとっています。緊張すると、体内では交感神経が優位になり、呼吸循環器系は活発になる一方で、消化器系は活動が低下し、唾液の分泌も減少します。反対に、おいしそうな料理を目の前にしたときなど、思わず食欲が刺激されて唾液がたくさん出てきます。副交感神経が優位になって、リラックスして消化器系が活発になっているのですね。要するに、危機が迫っていたり、強いストレスがかかったりして緊張が高まっていると、「食べている場合じゃない!」と体が緊急時の態勢に入っているというわけです。ちょっとした緊張からくる渇きなら、通常は水を飲んで口の中を潤せば、じきに治まることがほとんどです。しかし、強いストレスが続き、口の中が渇いた状態がずっと継続するとドライマウスが進行します。水を飲んだくらいでは渇きが治まらず、ひどくなると話しにくくなったり、ものが食べにくくなったりします。また、口の中がネバネバすることもあります。唾液には抗菌作用・洗浄作用があって口腔をきれいに保つ働きがありますが、唾液が出なければ、当然この作用は弱まります。そのために歯垢がたまりやすく、虫歯が増えたり、歯周病が悪化したりします。と同時に、咀嚼障害や嚥下障害なども起きやすくなるのです。また、口の中の苔やカビにも注意が必要です。ふだんなら唾液が洗い流してくれる舌苔がこびりついてしまって、口臭のモトになることもあります。さらには、口の中の乾燥によってカビの一種・カンジダ菌が増加し、口腔カンジダ症を起こしやすくなります。これは、味覚障害や口内炎の原因となることがあります。そして何より、緊張状態が続いて食欲が低下するだけでなく、咀嚼障害や嚥下障害などで食べものが食べられなくなることは大きな問題です。必要な栄養が十分に摂れないというのは、全身の健康をキープするのが難しくなることです。怖い病気を引き起こさないためにも、早めに十分な口腔ケアをしましょう。ストレスが避けられない状況にあっても、できるだけ口の中の乾燥を長引かせないようにしたいものです。
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