本八幡の整体、風の整体院の岩田です。年齢とともに必須ともいうべき老化現象が骨粗しょう症です。骨は日々つくり変えられていて、古い骨は吸収され、新しい骨に置き換えられます。骨の吸収に関わる細胞は破骨細胞といって、多くの波状縁というギザギザを持ち、これが骨の内側に食い込んで、骨を溶かす物質を出して骨を吸収していきます。一方、新しい骨の形成に関わる細胞は、骨芽細胞といいます。骨の構成はよく鉄筋コンクリートでできた建物にたとえられますが、コンクリート部分はハイドロキシアパタイト(カルシウムからできている)、鉄筋部分はコラーゲンにあたり、この両者がバランスよく働くことで建物(骨)は強固に保たれます。近年の研究では、コンクリートに値するカルシウ量が減っているだけでなく、鉄筋部分であるコラーゲン、とくに、鉄筋同士をつなぎとめるビスのような物質の善し悪しも重要なことがわかってきました。いわば、鉄筋がサビていないかどうかです。骨粗しょう症とは、骨の量が減ったり、骨がもろくなったりして脊椎、腰椎、あるいは大腿骨頭頸部などが骨折しやすくなった状態をいいます。骨粗しょう症は骨折につながることから、寝たきりの原因としてもクローズアップされています。診断方法は、骨密度検査によって行われ、一般的にX線を用いた検査で、若年成人平均値の70%未満になると、骨粗しょう症と診断されます。この診断法だと、40歳以上の男性の3~12%、女性で19~26%程度の割合で合併してくるとされています。日本における骨粗しょう症患者は、1000万人を超えるというデータがあります。とくに女性は、閉経後に飛躍的に有病率が増加していき、70歳以上の女性では、半数近くが合併していると推定されます。閉経後の女性の骨密度が減少する最も大きな原因は、女性ホルモンであるエストロゲンの欠乏です。エストロゲンはいろいろな作用に関わっていますが、そのひとつに、骨を壊さないようにする作用があります。閉経後にエストロゲンの分泌量が減ると、破骨細胞が増加して、古くなった骨をどんどん溶かしていきます。骨芽細胞がそのスピードに追いつけず、骨形成が低下してしまうのです。骨粗しょう症による骨折のうち、大腿骨頭頸部骨折を起こす患者さんは、年間約9万人ともいわれ、このうち40%は、社会復帰できないともいわれています。女性は、閉経を迎えたらできるだけ早く検査を受けて、必要であれば早めに治療を受けたほうがいいでしょう。とくに、若いときに比べて身長が4㎝以上低くなっていたら、要注意です。身長は加齢とともに緩やかに縮んでいくものですが、4㎝以上なら骨粗しょう症による脊椎の骨折による危険性が高いでしょう。子どもの頃、前より背が伸びたか測ったものですが、アンチエイジング世代は、背が低くなったかを見るために、定期的に身長を測ったほうがいいかもしれません。
コメントをお書きください