本八幡の整体、風の整体院の岩田です。「頑張り屋さん」と言われれば、誰でも悪い気はしないでしょう。成績でなく努力をほめることは、子どもの教育面でも大切なことだとされています。学校での努力をほめられて育ってきた人は、「頑張り屋さん」の社会人になっているのではないでしょうか。「頑張り屋さん」であることは、もちろん美徳なのですが、「頑張りすぎ」は、かえって自分を苦しめてしまい、成果も上がらなくなることがありえます。得に社会人になってからは、汗をかいた努力よりも、残した成果が求められます。頑張る=とりあえずほめられる、という法則が通用しなくなってきます。「部長が満足するレベルにまで書類を仕上げないと」「いざ資料を提出しようとすると、間違いがないか心配になってしまう」「こんな出来では、また注意されてしまう」などと、失敗を恐れてしまう心理を背景とした頑張りは、自分を精神的に追い詰めることがほとんどです。100あるものをすべて100の品質で仕上げようとする人よりも、質は80でいいからスピードを優先する、あるいは、ここはアバウトに80%で済ませて、ここは120%ぐらいにしっかり固めておこうなどと、重要なところとそうでないところを区別できる人のほうが、結果を残せるようになってきます。マラソンや長距離水泳のような長丁場のスポーツは、すべての時間を100%のエネルギーで活動できるわけではありません。ある程度落としたペースを、ある程度の時間にわたってキープすることが、求められるのです。長いスパンでものごとを捉えると、ペースを落とす、あるいは抜きどころや休息を巧みに取り入れるテクニックが必要だということがわかってきます。いわば、「休み上手な頑張り屋さん」が、結果を残す努力家ということになるのではないでしょうか。スポーツ、特にトップアスリートの中には、自分を追い込みすぎて常識では考えられない過剰な練習量をこなすあまり、「オーバートレーニング症候群」に苦しんでしまう人も見られます。オーバートレーニング症候群とは、まさに「過剰練習症候群」のことです。ハードなトレーニングを長期間にわたって続けると、疲労が原因で成績が上がらず、パフォーマンスが低下してくることがあります。普通の疲労ならば、適度な休息ですぐに回復するはずです。ところが、2週間以上休息しても回復しない状態が、しばしば見られます。これが、オーバートレーニング症候群です。オーバートレーニング症候群では、いろいろな不調が現れます。全身倦怠感や不眠、食欲不振や過食など食欲の変化、イライラ感、集中力低下、抑うつ気分など、うつ病と区別が難しくなるくらいのつらい状態になることもあります。勝利や記録のプレッシャーと戦い続けるトップアスリートでなくても、「頑張り屋さん」と言われる人は、オーバートレーニング、あるいは、オーバーワークに無意識のうちに陥ってしまう危険性が高いと思われます。ちょっと息切れする、くらいではすまない不調に陥るケースも多いのです。オーバートレーニング症候群の治療のポイントは、薬ではありません。適切な休息、それ以上に「休息する勇気」です。「頑張り屋さん」は、休息することに不安や罪悪感をもっていることがほとんどです。休息する不安との戦いも、強いられるのです。
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