本八幡の整体、風の整体院の岩田です。ウォ―キングやランニング、エアロバイクなど、単純でリズミカルな有酸素運動を続けると、神経伝達物質のひとつであるセロトニンが活性化し、不安やうつがやわらぎます。セロトニンの効用に関しては情報も多いですから、ご存知の方も多いでしょう。では、このような単純な動作をおこなう運動だけが健康的なのでしょうか。そういうわけでもありません。セロトニンだけで人間、生きているわけではないからです。たとえば、ゴルフやテニスなど、ボールやラケットといった道具を使うスポーツ。あるいはヨガやラジオ体操のように体幹・四肢を複雑に動かす運動。こういったエクササイズは、単純な有酸素運動とは違った効能をもっています。これらのスポーツは、脳の「運動系」というシステムをはたらかせなければならないという点が、単純動作とは異なります。バランス感覚、力の強弱、位置・方向感覚など、脳の「運動系」を活用するという意味で、脳のトレーニング効果もあるのです。運動系ではたらく脳の重要部分は、「小脳」と「大脳基底核」です。小脳は、大脳の後ろについている文字どおり「小さな脳」です。小脳は人間の平衡感覚をつかさどっています。小脳出血などで小脳がダメージを被ると、千鳥足になったり字がうまく書けなくなるなど、バランス感覚が崩れてきます。「大脳基底核」は、大脳の深部に位置しています。わかりやすく説明するのが難しいのですが、思い切って表現すれば自動車でギアを入れ替える「トランスミッション」というところでしょうか。脳梗塞などにより大脳基底核がダメージを受けると、動きがぎこちなくなる、固くなるなどの症状が生じます。道具を使ったり、手足をいろいろ動かしたりといった運動は、「小脳」「大脳基底核」という人間の運動系を刺激して、神経細胞を活性化させるのです。年をとっても、この「運動神経」を地道に刺激するようなエクササイズをおこなうことは、心と体にとてもいい影響を与えます。
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