本八幡の整体、風の整体院の岩田です。昨今の現代的なビルやマンションには、外からの光が入ってこず、空気もエアコンで一定に保たれるだけで換気も少なく、外からの音もまったく入ってこないというところが増えています。いつ太陽が沈んだのか、雨が降ったのかもわからない、そのようなところに1日中居続けている人は、ずっと同じ照度、同じ空気、同じ静けさのなかで過ごすことになります。外部からの刺激がまったく入ってこない、不自然な環境です。これらの「人工的な環境」は、利便性がよく快適なように思えますが、実は「疲れ」の原因になっているのです。私たちが最も心を安定させ、疲労を感じることなくパフォーマンスを発揮できるのは、「ゆらぎ」のある環境です。「ゆらぎ」とは、一定にの平均値から微妙に外れた「不規則な規則性」のことをいいます。この「ゆらぎ」は、自然環境の中に満ちています。たとえば、森のなかを歩いているところをイメージしてみてください。頬をなでるようにして吹き抜けていく「そよ風」や、木々の間からあふれてくる「木漏れ日」、聞こえてくる鳥の「さえずり」、川の「せせらぎ」には、私たちの心を和ませる不規則な「ゆらぎ」があります。自然の環境には本来、そうした「ゆらぎ」があらゆる事象に存在します。そんな「ゆらぎ」のある環境でこそ、私たち人間は、真にリラックスすることができるのです。では、なぜ私たちは、「ゆらぎ」のある環境でリラックスできるのでしょうか?それは、「ゆらぎ」のある環境が、動物にとって最も安全で安心できる環境だからです。たとえば、サバンナで暮らす草食動物は、そよ風に乗って運ばれる匂いで、天敵に気づきます。「ゆらぎ」のない環境は天敵に襲われるリスクが高いのです。そして、もう1つ大きな理由があります。それは、自然環境と同じ複雑性を持った「ゆらぎ」を、人間を含む動物自身が持っているためです。脳はを計測しても、心拍でも、呼吸や血圧や体温を計測しても、その生体活動がつねに一定であるということはなく、すべてに「ゆらぎ」があります。この人体の「ゆらぎ」と、自然環境の「ゆらぎ」は、ほぼ同じ複雑性を有しており、共通しています。つまり、「自分自身と同じゆらぎ」を感じることに、快適性を見出していると考えられています。こうした「ゆらぎ」のある環境にいると、心身をリラックスモードにする副交感神経が優位になり、心地よさを感じるようになるので、同じ作業をしていても疲れにくくなるのです。人は本来、自然とともに暮らすものです。文明を築き、コンクリートに覆われた環境になったのは、数百万年続く人類史という枠で見れば、ごく最近のほんの一瞬の出来事です。今いる場所に「ゆらぎ」を生み出す方法は、とても簡単です。窓を開けて、外の空気を入れてみるだけで、「ゆらぎ」が生じます。窓を開けておくことで、外からの空気や光や音の「ゆらぎ」が入ってきます。ずっと窓を閉めっぱなしにして、空気にも音にも光にもいっさい変化のない環境にしていると、それだけで疲れやすくなってしまいます。
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