「大殿筋」と「腸腰筋」

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。人間が二足立位、二足歩行ができたことに抗重力筋が大きく関与しています。その中でも骨盤の後面にある「大殿筋」と前面にある「腸腰筋」の進化が二足立位と二足歩行を確立させるために重要な役割を担っています。大殿筋は股関節の強い伸展力(股関節が身体を垂直に伸ばす力)や外旋力(腿全体を外側に回す力)によって後面から身体を垂直に支えながら、さらに歩行中に上半身の体重を支え、地面からの衝撃を吸収し、バランスをコントロールしています。腸腰筋は3つの筋肉の複合体の総称で、「大腰筋」「小腰筋」「腸骨筋」で構成され、中心となるのは大腰筋と腸骨筋です。大腰筋は背骨の安定、骨盤の前傾、脚の前方への大きな振り出しに関わっており、腸骨筋は骨盤の固定と前傾、脚の垂直方向への引き上げに関係しています。この2つの中でも腸骨筋は股関節を曲げる強力な屈曲筋であると同時に、実は大殿筋と同じ抗重力筋です。人間の身体は前側を腸骨筋が支え、後ろ側を大殿筋が支えることで骨盤を安定させ、身体を垂直方向に保っているのです。人間はこの骨盤前後の2つの筋肉が弱くなると立てなくなります。大殿筋と腸骨筋を含む腸腰筋は、それくらい重要な筋肉なのです。これらを意識して鍛えることは、健康寿命を延ばすことに直接つながっていきます。