お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。ピント合わせは、目のレンズに相当する水晶体の両端についた、毛様体という筋肉が行っています。このコントロールを行っているのが、脳の自律神経です。交感神経が優位になると毛様体筋が緩んでレンズが薄くなり、遠くにピントが合います。副交感神経が優位になると毛様体筋が縮んでレンズが厚くなり、近くにピントが合います。人間の目は、そのような解剖学的構造で設計されているのです。人間は、何十万年も野生の中で暮らしてきました。外敵や獲物をいち早く見つけるために、「仕事=緊張時=交感神経優位=遠くにピントを合わせる」という必要があったわけです。ところが、近年のパソコンワークにより、そこに矛盾が生じてしまったのです。つまり、「仕事=緊張時=交感神経優位」であるにもかかわらず、「近くにピントを合わせる」必要が出てきました。人間は、脳に入る情報の90%近くを視覚から得ていると言われています。ピント合わせの際の大いなる矛盾によって、脳が混乱をきたし、疲弊するのは当然です。これが眼精疲労の正体なのです。眼精疲労は目の細胞の損傷ではなく、脳の自律神経が疲れていることによって起こっているのです。医学的には、「疲れ目」と「眼精疲労」は区別されています。休息すれば回復するのが「疲れ目」。休息や睡眠をとっても症状が残ったり、一時的に回復しても症状がぶり返すものを「眼精疲労」と呼びます。眼精疲労の症状は、まさに自律神経失調症と同じです。目の痛み、かすみ、充血、まぶしさ、頭痛、肩こり、吐き気、めまいなどがあります。眼精疲労に至る前に疲れ目の段階で対処することを心がけましょう。休憩中のスマホは厳禁です。せっかくの休憩中に脳を酷使してしまうからです。休憩中はボーっとして過ごすのがいちばんです。
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