ストレスがDHEAの分泌を妨げる

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。更年期障害には女性ホルモンだけでなく、副腎皮質でつくられる性ホルモンの一種である、DHEA(デヒドロアピアンドロステロン)も、関係しています。DHEAは「マザー・ホルモン」とも呼ばれており、体内で男性ホルモンのテストステロンや女性ホルモンなど、50種類ものホルモンに変わります。男性にも女性ホルモンが、女性にも男性ホルモンが多少は必要であり、それぞれ、DHEA由来の性ホルモンに助けられています。更年期の女性にとって、DHEA由来の女性ホルモンは非常に重要です。閉経後数年で、卵巣から分泌されるエストロゲンはそれまでの40%程度になり、プロゲステロンはほぼ分泌されなくなりますが、DHEAが分泌されていれば、急激にホルモンのバランスが崩れることはなく、更年期障害の症状も緩和されるからです。男性にとっても、DHEAは大事です。男性ホルモンのうち、95%は精巣でつくられるテストステロンです。個人差はあるものの、更年期を迎えるころ、男性の体でもテストステロンが減少することが多く、いわゆる「男性の更年期障害」の症状があらわれるようになります。そして、男性ホルモンの5%はDHEAはであり、精巣でつくられるテストステロンが減少すると、DHEAが活性化することがわかっています。ところが、ストレスは、性ホルモンやDHEAの分泌を妨げます。卵巣や精巣でつくられる性ホルモンも、副腎皮質でつくられるDHEAも、肝臓でつくられるコレステロールを原料としています。副腎皮質では、抗ストレスホルモンであるコルチゾールもつくられていますが、ストレスがかかると、脳はコルチゾールを優先的に分泌しようとします。その結果、卵巣や精巣に回るコレステロールの量が減り、性ホルモンの質や量、濃度が低下してしまうのです。また、ストレスがかかると、副腎もコルチゾールやアドレナリン、ノルアドレナリンを出すことを優先し、DHEAの分泌を後回しにしてしまいます。長くストレスがかかり続けると、副腎自体が疲れてしまうこともあります。こうした理由から、本来、女性ホルモンや男性ホルモンの減少による影響をカバーしてくれる存在であるDHEAの分泌が減ると、結果的に、更年期障害の症状が重くなってしまいやすいといえます。