ストレスは頭の横に出る

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。頭蓋骨と頭皮の間には薄い筋肉があり、頭の前方、額のあたりの筋肉は「前頭筋」、頭の横、耳の上あたりの筋肉は「側頭筋」、後頭部の筋肉は「後頭筋」といいます。他の場所の筋肉同様、ストレスを感じると、頭の筋肉も緊張しますし、その状態が続けば疲労し、硬くなり、血液やリンパなどの流れも悪くなります。ストレスの原因などによって、こる場所は変わってきます。頭の筋肉の中でも、頭の両サイド、こめかみから耳の上の周辺にあり、アゴの筋肉と連動している側頭筋は、特にこりやすいといえます。側頭筋は、ものを見るときにも、ものを食べるときにも酷使され、疲れやすいからです。さらに側頭筋には、食いしばりや歯ぎしりによる過大な負荷もかかります。何かに集中しているときやストレスを感じているとき、あるいは眠っている間に、人は無意識のうちに、歯を食いしばったり歯ぎしりをしたりしています。交感神経が優位になると、体が食いしばりや歯ぎしりによって、たまったストレスを発散しようとするのです。ところがその結果、側頭筋がこり、頭痛や目の奥の痛みなどが生じたり、側頭部が張って、頭の幅が広がったりしてしまいます。また、側頭筋がこって硬くなり、委縮すると、さらに食いしばりや歯ぎしりがひどくなるという悪循環も起こります。また、食いしばりや歯ぎしりの癖があると、首や肩がこる、歯周病が進行する、歯が欠ける、顎関節症になる、といったことが起こりやすくなります。眠っている間に食いしばりや歯ぎしりをしているということは、体が緊張状態にあるということでもあり、睡眠も浅くなりがちです。もちろん、こるのは側頭筋だけではありません。脳の前頭葉は、思考や意思などを司っており、ものを考えたり、悩んだりすることが多い人は、前頭葉を酷使しているため、特に前頭筋がこりやすいといわれています。「眉間にシワが寄る」という表現がありますが、それはまさに、人が考えごとをするとき、前頭筋を使っている証しだといえるかもしれません。一方、後頭葉は視覚情報の処理をしており、後頭筋は首や肩、背中の筋肉にもつながっています。パソコンやスマホの見すぎ、使いすぎなどによって疲れやストレスを感じている人、肩や首がこりやすい人は、後頭筋もこりやすいといえるでしょう。