過剰なストレスの影響

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。ストレスはまず、自律神経と内分泌系に影響を与えます。プレッシャーや恐怖を感じたり、悩みを抱えたりすると、交感神経が優位になり、体内にノルアドレナリンやアドレナリンといった神経伝達物質が分泌されます。これらは、基本的には血糖値・心拍数・呼吸数・体温をあげる、皮膚や粘膜などの血管を収縮させる、筋肉や神経を緊張させる、発汗を促す、瞳孔を拡大させる、消化機能を低下させる、といった働きをします。さらにコルチゾール、グルカゴン、甲状腺ホルモンなどのホルモンも分泌されます。そのうち、コルチゾールは「抗ストレスホルモン」とも呼ばれ、糖やタンパク質などの代謝を促す、血圧や血糖値を上げる、炎症反応を抑える、などの働きをします。これらはいずれも、ストレスと戦うため、体を活性化させる反応です。たとえば敵に襲われ、生命の危機に遭遇したとき、生きものは敵と戦うか逃げるか、どちらかを選ばなければなりません。とっさに判断し対応するためには、頭や体の働きを活性化させる必要があります。そこで、生きものの体は、ストレスを感じると、消化機能などの働きを抑え、その分、脳や心臓、肺、筋肉に、いつもより多くの血液、糖分、酸素などを送り込むようにできているのです。通常は、ストレスを感じて交感神経が優位になっても、その後、気持ちを安定させる神経伝達物質の「セロトニン」が分泌され、反応は徐々に収まっていきます。ところが、非常に強いストレスを感じたり、ストレスを感じ続けたりすると、副交感神経への切り替えがうまくいかず、交感神経優位の状態が続いてしまいます。そうなると、心身がいつまでもリラックスできず、ゆっくり眠ることもできないため、疲れがどんどんたまっていきます。血圧や血糖値、心拍数が上がったままだと、心臓や血管に負担がかかり、心疾患や脳血管疾患、糖尿病などを発症するリスクも高くなるでしょう。また、血管が収縮し、血液や栄養、酸素が十分にいきわたらない状態が続くと、頭痛や肩こり、冷えやむくみ、抜け毛や白髪など、健康面、美容面でさまざまな問題が起こりやすくなります。過剰なストレスは、自律神経や内分泌系のバランスを崩し、さまざまな心身のトラブルを引き起こすのです。