お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。夏に熱中症で病院に運ばれたり亡くなられる方の多くは、高齢者です。体の機能が弱った高齢者は、自律神経に狂いが生じやすく、急な暑さに適応できません。すると体内の水分の循環がとどこおり、体にこもった熱を下げることができなくなりがちです。ここでも、ふくらはぎマッサージが力を発揮します。血液、リンパ液、水分など、あらゆる体液の循環の改善に、とても効果的だからです。逆に言うと、ふくらはぎは体液の循環を敏感に反映します。「老いると、血液の循環が悪化して、ふくらはぎの温度が著しく低くなる。逆に、ふくらはぎは足の中で最も運動によって温度を上げやすい」というデータが発表されています。体温差を細かく測定できるサーモグラフィー装置を使って、老人保健施設に入っている20人(平均年齢83.1歳)と、成人20人(平均年齢34.5歳)の足の温度を測定しました。その結果がとても興味深いのです。成人は①太ももの表②太ももの裏③ふくらはぎ、の温度にほとんど差がありませんでした。ところが高齢者のデータを見ると、ふくらはぎの温度が極端に低く、最も体温が高い太ももと比べて平均1.75度ものギャップがあったのです。次に、高齢者に1日2回の自転車こぎなど、簡単な足の運動を6週間続けてもらいました。すると、太ももなどでは運動しても体温が0.1~0.4%しか上昇しないのに、ふくらはぎは1.7%に当たる、0.54度も上がったそうです。これは、「ふくらはぎは、その気になって運動すれば温度が簡単に上がる」ことを示しています。すると血液のポンプ作用も強くなって、温かい血液が体のすみずみに届くから、体温が上がる、ということになります。
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