お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。運動で骨に負荷をかけると、どのような仕組みで骨が強く丈夫になっていくのでしょうか。その理由は、次の2つのことが明らかになっています。1つは、運動によって負荷がかけると、骨をつくる骨芽細胞が活発に働き出し、骨質の改善と骨量の増加がはかられ、骨をより丈夫で強いものに作り替えるということです。骨に運動による負荷が加わって揺れると、骨の司令塔である骨細胞が活性化し、ただちに骨芽細胞を活性化させるタンパク質を放出します。すると、このタンパク質を受け取った骨芽細胞はフル稼働をはじめ、骨を丈夫で強いものに作り替えていくのです。骨粗しょう症予備群の人や、すでに骨粗しょう症を発症している人は、骨量の減少などから骨そのものが脆く弱いものになっています。ごくわずかな力を加えただけでも、骨には大きな衝撃となって伝わります。ですから、ちょっとした軽い運動でいいのです。激しい運動をたまにするより、骨芽細胞が働き続けるよう、軽くても骨に負荷のかかる骨トレをコンスタントに続けることが大事です。たとえば、ごく軽いウオーキングでも毎日続けることで、骨はより丈夫で強くなっていきます。運動によって骨が強くなるメカニズムの2つ目は、運動で骨に負荷がかかることによって、骨の主成分であるカルシウムの骨への沈着が促され、ほねの石灰化が進むことです。運動で骨に力を加えると、骨にマイナスの電気が発生します。するとプラスの性質を持つカルシウムが引き寄せられ、骨の主成分の残り半分を占めるコラーゲンに沈着して、骨を丈夫で強いものに作り替えていくのです。全身の骨のなかでも大きな力や衝撃が加わるところほど、より強いマイナスの電気が発生します。すると、カルシウムも強いマイナスの電気により多く引き寄せられ、大量のカルシウムがコラーゲンに沈着して、びっしりと詰まった骨になります。これとは反対に、骨のなかでも力の加わらなくなったところは、わずかなマイナスの電気も発生しません。骨は古くなると破骨細胞によって古い骨が削られ、中のカルシウムが引き出されるため、負荷のかからない骨はカルシウムが溶け出していく一方となって、どんどん弱くて脆い骨へと変質してしまいます。このように、運動には骨を強く丈夫にする働きがあります。成長期に運動して骨密度を高め、「骨貯金」をしておくことはもちろん大切ですが、骨が減り始める年代になっても、運動して骨量を少しでも増やすことはとても大切です。むしろ、骨が減り始めたり、減ってきたときこそ、運動して骨量の減少を食い止めることが重要です。
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