お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。骨粗しょう症による四大骨折のなかでも、手足の骨折は痛みをともないますが、とくに本人が気づきにくいのは背骨の骨折です。背骨のことを医学的には脊椎と呼びます。脊椎は、椎骨という小さな骨が積み重なってつくられています。その椎骨の要である丸い部分を「椎体」といいます。その椎体の内部が骨粗しょう症でスカスカになると、ちょっとした衝撃が加わっただけでも、グシャッと潰れてしまいます。「椎体圧迫骨折」といって、円筒形の椎体が上から押し潰されて変形する骨折です。よくあるのは、自分の身体の重みに次第に耐えられなくなって、ジワジワと潰れることです。椎骨は小さいうえ、骨が潰れる進行がゆっくりなので、ほとんど痛みを感じません。骨折をしたときに気づくのは3人に1人で、「いつ骨折したのかわからない」という人が3分の2を占めます。椎体圧迫骨折に気づかなかったり、気づいても「年をとったので仕方がない」などとあきらめて放置していると、さらに続けて2ヵ所目、3ヵ所目とドミノのように骨折を起こすことになってしまいます。椎骨は小さな骨が連結しているため、1ヵ所骨折をすると、2ヵ所目を骨折する確率は2~3倍に高まります。2ヵ所目を骨折すれば、3ヵ所目を骨折する確率は、7~10倍に達します。こうした椎体の連続骨折を断つには、骨粗しょう症の治療が不可欠です。しかも、椎体圧迫骨折を起こすと、5年後の生存率は約60%にとどまります。つまり、約40%の人が5年以内に亡くなってしまうのです。これは、大腸ガンや乳ガンの5年生存率より劣っています。閉経後の女性にとって、骨粗しょう症は、大腸ガンや乳ガンよりも死を招く危険な病気といえるのです。
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