お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。骨粗しょう症が厄介なのは、症状らしい症状がほとんどないことです。発症直後はもちろん、かなり進行しても大半のケースで症状が見られません。痛みなどの症状に見舞われるのは、たいてい骨粗しょう症が進行して骨折をしたときです。それまで自覚症状がないため、「骨が折れてはじめて気づいた」という人が多いのです。それどころか、「痛みなどなかった」「骨折したこと自体に気づかなかった」というケースも3分の2は見られます。実は、骨粗しょう症から起こる骨折にはいくつか特徴があります。それを知っておくことで、少しでも早く発症に気づくことができます。骨粗しょう症は、全身の骨をスカスカにする病気ですが、とくに折れやすい部位が4か所あります。
①手首の骨(橈骨遠位端)
②背中や腰の背骨(脊椎椎体)
③足の付け根の骨(大腿骨近位部)
④上腕の付け根の骨(上腕骨近位部)
骨折というと、多くの人は、手足のような長い骨の真ん中あたりがポキンと折れることをイメージすると思います。骨粗しょう症による骨折は、これとは全く異なります。骨粗しょう症によって脆くなった骨は、わずかな力が加わっただけでもグシャッと潰れてしまう「脆弱性骨折」を起こすのが特徴です。先に述べた4つの部位は、ちょっとしたことで外力のかかりやすいところです。たとえば、うっかり転びそうになって、手をついたり、つまずいたり、体をひねったりということは誰にでもあると思います。健康な骨なら、このぐらいではびくともしません。ところが、骨粗しょう症になると、その程度のことでも、すぐに折れてしまいます。まして、しりもちをついたり重いものを持ち上げようとしたりして、思わぬ大きな力がかかると、重篤な骨折につながることもよくあります。そうして、ひとたび骨折をすると、いずれの部位であっても、たちまち生活の質が低下してしまいます。しかも、骨粗しょう症では、骨が再び治るのに長い時間がかかります。その間に、足腰の筋力が弱って、寝たきりになってしまうこともあります。すると、気持ちや活力もどんどん衰えてしまいます。骨粗しょう症による骨折は、身体機能だけでなく、心の健康を奪うことにもなるのです。
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