胃液で死なない驚異の悪玉・ピロリ菌

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。胃に住みつく細菌としてよく知られているのが、ピロリ菌です。名前は可愛いのに、強い毒素で胃壁を傷つける悪玉で、日本人の50%以上が感染しているといわれています。悪性腫瘍の原因であることがわかっている唯一の細菌で、放っておくと萎縮性胃炎から、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃ガンを発症するリスクが高まるだけでなく、自己免疫疾患である特発性血小板減少性紫斑病(ITP)などの全身的な病気との関係も深いことがわかっています。胃の中では、pH1~2の強酸性の胃液が毎日2.5ℓも分泌されるため、通常、細菌は生息できません。でもピロリ菌は、自らアルカリ性のアンモニアを産生し、酸を中和して住んでいるのです。そのため、ピロリ菌がいる人の胃液は薄まり、消化・吸収の力が低下してしまいます。タンパク質やビタミン、ミネラル不足で消化管が弱っているところに、骨の喪失に伴うカルシウム不足が加わって、ますます胃液の分泌は低下します。無理して食べていると、胃もたれやお腹の張り、ガスがたまる原因になります。さらには、胃液中のビタミンC濃度も低下し、発ガン性物資の生成抑制も進まず、胃ガン、大腸ガンなど消化器ガン発生の危険が高まるのです。ピロリ菌の感染による萎縮性胃炎では、口から入った細菌が十分に殺菌されなくなり、腸内細菌のバランスが悪化して、さまざまな全身の病気の引き金にもなります。ピロリ菌の検査は血液検査による抗体価検査や、便による抗原検査などが選択できます。手軽に確実な検査が受けられますから、一度、このような検査を受けてみてはいかがでしょうか。