お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。これまで、私たちの筋肉や内蔵を動かすためには「ブドウ糖を摂るしかない」と考えられてきました。また、「脳がエネルギー源として利用できるのはブドウ糖だけ」という説が、常識としてずっと信じられてきました。しかし、栄養学の進化によって、どんどん新しい事実が明らかになってきているのです。その結果、エネルギー源となるのはブドウ糖だけであるという常識は、すっかり古くなってしまったのです。私たちが食事から摂る栄養素の中でエネルギーをつくり出すのは、脂肪とタンパク質、炭水化物(糖質)です。体を動かしたり、内蔵や脳を働かせたりするための燃料になるのは、この3つだけです。いくら野菜を食べて、ビタミンやミネラルをたくさん摂っても、それらはエネルギー源にはなりません。そして、脂肪とタンパク質、炭水化物はATP(エネルギー源となる物質)をつくるために、最終的には2つの分子のどちらかになります。1つは「ブドウ糖」で、もう1つは新しく注目され始めた「ケトン体」です。ブドウ糖以外にも、筋肉や内蔵、脳を働かせるためにケトン体を使うという、第二の選択があることが、最近になってわかってきたのです。もし、肉や魚やサラダばかり食べて、糖質をまったく摂らない食事を続けたとすると、肝臓にため込まれている予備のブドウ糖を使い切ってしまいます。そうなったときには、肝臓はブドウ糖に代わるエネルギー源として、体の中にある脂肪から「ケトン体」をつくります。ケトン体がつくられるようになれば、血糖値が低くなっても問題ありません。ケトン体をエネルギー源にして、普段と変わりない行動・生活を送ることができるからです。たとえていえば、電気とガソリンの両方を燃料にして走る「ハイブリッド」といわれる自動車があるように、私たちの体にも、ブドウ糖もケトン体も利用できる「ハイブリッドエンジン」が備わっているといえるでしょう。ただし、ブドウ糖を使い切ったときでないと、ケトン体はスムーズにつくられません。ブドウ糖とケトン体の両方がつくれるとしても、私たちの体は必ずブドウ糖を優先させるという特徴があるからです。糖質の多い食事を摂っていたら、ケトン体の出番はないと考えたほうがいいでしょう。
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