メラトニンのスイッチ

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。メラトニンの分泌は「体内時計」によって制御されています。近年、遺伝子レベルでの解明が急速に進み、体内時計の中枢は脳の「視交叉上核」にあり、さらに、全身の細胞ひとつひとつに体内時計をコントロールする「時計遺伝子」があることがわかりました。オーケストラにたとえると、視交叉上核には指揮者に当たる「親時計」があり、全身の細胞にメンバーである「子時計」があって、2つが連携して体内時計が成り立っているのです。体内時計がつくり出す人間の生体リズムは、長い間1日25時間とされてきましたが、ハーバード大学のチャールズ・サイズラ―教授の研究によって、24時間11分であることが明らかになっています。この11分のズレをリセットするのが、朝の太陽の光です。朝の太陽の光が目から入って視交叉上核に届くと親時計がリセットされ、夜間出ていたメラトニンがストップします。同時に、自律神経を通じて全身の細胞にある子時計にシグナルが送られ、毛細血管は収縮し、体が覚醒モードに入るという素晴らしい仕組みです。時計遺伝子は「時計タンパク」というタンパク質を生み出し、それを規則的に増やしたり減らしたりすることによって体内の時を刻んでいます。この時計タンパクの増減するリズムは、食事や体を動かすことに影響を受けるので、食事のタイミングや運動、習慣的な動作も子時計を調整するスイッチとなります。