ウォーキング神話

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。いまの世の中には「ウォ―キング神話」といったものが存在しているようです。早朝や夜、健康のために歩いたり散歩をしたりしている方も大勢見かけるようになりました。テレビの健康番組や健康雑誌などでも「歩くことは健康にいい」とさんざん紹介しています。もちろん、それは間違いではありません。ウォ―キングは生活習慣病の予防や改善にぜひとも取り入れていただきたい習慣です。ただし、もし「ウォ―キングをやってりゃ大丈夫だよな」とか、「ウォ―キングさえしてれば、他のことはやらなくていいよね」といった姿勢でいるのなら、それは大きな間違いです。ウォ―キングは万能ではありません。ウォ―キングだけでは筋肉を鍛えることはできません。それは科学的にも証明されていることなのです。筋肉には「速筋」と「遅筋」という二つのタイプがあります。それぞれの役割はまったくの文字通りで、速筋は速い動きをするときに使う筋肉で、反対に遅筋はゆっくりとした動きをするときに使う筋肉です。私たちは動作や運動によって、この二つの筋肉を使い分けています。100m走などの短距離を走る際に使われるのが速筋で、瞬発的に大きな力を出せるかわりに疲れやすいという特徴を持っています。一方、マラソンなどの長距離走で使われるのが遅筋です。こちらは、大きな力は出せないものの、持久力があり疲れにくい特徴を備えています。速筋は白っぽい色、遅筋は赤っぽい色をしていて「白筋」、「赤筋」と呼ばれることもあります。実は加齢によって筋肉が減少する割合は、遅筋よりも速筋のほうがずっと大きいのです。1年1%、10年10%じわじわと減っていく筋肉はほとんどが速筋で占められているということです。ウォ―キングやジョギングなどの持久系の運動で使われるのはほとんどが遅筋であり、速筋はまったくといっていいほど使われないため、筋量低下防止につながらないのです。速筋の減少を食い止めるには、どんな運動よりも真っ先に筋トレ(スクワットなどの無酸素運動)を行っていく必要があるのです。