お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。自らの歩く速さを意識したことはあるでしょうか。普段、何気なく歩いている人がほとんどだと思いますが、歳をとっていく中で、自分の歩くスピードが落ちていることに気が付いたら、要注意です。実は歩く速さに今後の寿命が反映されるといった調査結果があるのです。アメリカの医師会が発行する医師会雑誌「ジャーナル・オブ・アメリカン・メディカル・アソシエーション」に発表された研究で、歩行スピードと余命の関係について興味深い分析がなされています。65歳以上の3万4000人の男女を対象にした9つの調査をまとめて解析した結果、歩行スピードは余命と密接なつながりがあり、各年齢においての歩行スピードと残りの寿命がきれいな比例曲線で表せることが判明しました。例えば、男性では65歳の時点で1.1メートル/秒(1キロメートルを15分ペース)のスピードで歩けるなら、あと約20年は生きられる可能性が高くなります。女性の場合、同様の条件では約27.5年も長生きできる可能性があることが示唆されています。なぜこのような予測が立つのかといえば、歩行スピードというのは、将来の介護依存の可能性をもっとも感度よく反映する指標だからです。介護が必要になるほど死亡リスクも高まるため、歩行スピードが寿命と関連してくることになります。65歳以上の日本人男女940人を対象とした調査では、最大歩行スピード、普通歩行スピード、片脚立ち、握力という筋力を要する4つの測定項目を設け、結果が良かった順に人々を4つのグループに分けました。そして、もっとも優れていたグループ1が向こう6年間に介護依存になるリスクを基準として、他のグループのリスクを算出したところ、いずれの項目も近い将来の介護依存度と関連を示しましたが、とくに歩行スピードの結果の精度が高くなりました。ちなみに、調査項目の「握力」に関しては、握力が強い人ほど病気や外傷による死亡率が低いという研究があります。世界17ヵ国の成人約14万人を対象に、平均4年間の追跡調査を行ったところ、握力が強いほど、心筋梗塞や脳卒中、ガン、転倒、骨折などによる死亡率が下がることがわかっています。
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