幸せな人は長生きする

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。修道院で暮らす人々、つまり社会的ステータスも環境も同じような複数の人々に、20歳の時点で「今、あなたは幸せですか?」と尋ねて、その後、数十年にわたって追いかけた研究があります。その結果、「幸せだ」と答えた人々のほうが、明らかにより長寿になる傾向が見られました。同じ環境にいる以上、「幸せ」と感じるか「不幸」と感じるかは、基本的に本人の主観の問題です。しかしそれこそが、寿命に大きな影響を及ぼしていたわけです。つまり「主観的幸福度」というものが健康度を引き上げ、結果的に平均寿命を上げるというのが、この研究の結論です。医学的に言うと「主観的幸福度」とは、ストレスレベルを下げるということです。それによって免疫系が活性化して、例えば動脈硬化などの病気を抑える方向に働くわけです。いかに「主観的幸福度」が大事か、よくわかると思います。世間には「ストレスは多少あったほうがいい」とする意見もあります。それが刺激になって人生が活性化するとか、経験が人を大きくする、といった類の話です。しかし根本的に、ストレスレベルはできるだけ低い方がいいのです。どんな生活をしてもストレスはゼロにならないのでせめて下げるように心がけるべきでしょう。では、「主観的幸福度」はどうやってきまるのでしょうか。少なくともそれは、客観的にどれだけの財産があるとか、どういう社会的地位にいるかという話ではありません。どんな趣味を持ち、どんな人に囲まれているか、どれだけ「楽しい」と感じているか、ということのほうがよほど大事だと思います。その点、概して日本人は、残念ながら「主観的幸福度」は低めかもしれません。さまざまな「幸福度」に関する国際的な調査を見ても、たいてい日本は低位にランキングされるのが定番です。これほどの先進国で、平均所得も高く、治安も良く、平均寿命も長いのに、なぜ幸福度だけが低いというミスマッチが生まれるのでしょうか。その要因の1つは、やはり何でも他者と比較する傾向があるからかもしれません。客観的な評価を気にして、他者に嫉妬したり、コンプレックスを持ったりしてしまう。そういう感覚から100%脱却することは難しいですが、ならばもう1つ、主観的な評価基準も確率して対抗すればいいのではないでしょうか。つまり、自分自身が幸せだと思うことも大事にするわけです。