お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。筋肉は自在に伸縮するように作られていますが、不良姿勢の元となるアライメントの異常がある部位、コリや痛みを感じるところでは、筋肉が短くなったまま硬くなっています。その根本的な原因に、筋肉の局所的なエネルギー危機があります。筋肉がストレスや過労で緊張してしまうと、運動神経の末端から過剰なアセチルコリンを含む顆粒が分泌されます。その結果として、筋肉の収縮を促すカルシウムイオンが放出され続けます。カルシウムイオンが出っ放しだと筋肉は縮んだままとなり、筋肉の内圧がアップします。筋肉に酸素と栄養素を運んでいる血管が圧迫されて血流が悪くなり、酸素と栄養素が足りなくなるエネルギー危機が生じます。危機を察した周囲の細胞は、ブラジキニンやプロスタグランジンといった痛みの元となる物質を分泌します。それにより痛みを感じるようになります。痛みを感じると自律神経のうちの交感神経が優位となり、血管を縮めてさらに血流を悪くします。筋肉が元の長さに戻って緩むためには、ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギー物質の分解によるエネルギーが必要です。ATPの貯蔵量は限られており、つねにリサイクルされていますが、ATPの再生には血液から供給される酸素と栄養素(グルコースと脂肪酸)が必須です。血流不足だとATPの再生が滞り、筋肉は縮んだままになります。これを解消するのが、筋肉を緩めるマッサージ、ストレッチ、関節モビライゼーションといったテクニックです。硬くなった筋肉の反対側には、伸びっ放しとなり、弱体化した筋肉があります。これは主動筋と拮抗筋の関係によるものです。主動筋とはある動きの主役となるものです。拮抗筋はそれと逆の働きをする筋肉です。主動筋が縮んで力を出すとき、拮抗筋は伸びて緩み、主動筋の働きをサポートします。たとえば、膝を伸ばす動きの主動筋である太もも前側の大腿四頭筋が縮むときには、拮抗筋となる太もも後ろ側のハムストリングは緩んで伸びているのです。筋力がもっとも高くなるのは中間位であり、筋肉は硬くなって縮みすぎても、緩みすぎて伸びすぎても、筋力は低下します。硬直した主動筋を緩めると同時に、その拮抗筋には適度な負荷を加える筋トレで適切な長さを取り戻すことも大切なのです。
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