筋肉の増減

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。骨と関節を動かす筋肉は、姿勢を保つ鍵ともいえる役割を果たしています。姿勢を維持している筋肉が弱くなると、正しい姿勢を保つことが難しくなります。筋肉は水分を除くとほとんどがタンパク質からなります。筋肉のタンパク質はつねに分解と合成を繰り返し、数ヶ月ですべてが入れ替わるといわれています。筋肉のタンパク質代謝は、どのくらい身体を動かしているかという身体活動(運動量)の影響を受けやすく、それが筋肉の増減に直接つながります。食事からタンパク質をきちんと摂っていても、運動の刺激が少ないと筋肉のタンパク質の分解が合成を上回るようになり、筋肉は減少します。これを不活動による廃用性筋萎縮と呼びます。廃用性筋萎縮は下半身から起こるケースが少なくありません。一例を挙げると、骨折などで関節をギプス固定して筋肉を長い間動かさないと、その筋肉はたちまち細くなります。また、高齢者が長期間の入院で筋肉を使わないと廃用性筋萎縮から自ら移動できずに寝たきりとなり、寝たきりがさらに廃用性筋萎縮を進めるという悪循環に陥ります。逆に十分なタンパク質を摂りつつ、筋肉に刺激を与えると、筋肉のタンパク質の合成が分解を上回り、筋肉は太く大きく強くなります。そのために行われるのが、自体重、ダンベル、バーベル、マシンなどで適度な抵抗(レジスタンス)を筋肉に加えてその成長と肥大を促すレジスタンス・トレーニング、通称筋トレです。筋トレの刺激を受けると、神経系の適応と筋肥大が同時にスタートします。その寄与率は時間とともに変わります。始めは神経系の適応のほうが優勢です。運動神経と筋肉の連携がよくなって、運動に参加する筋繊維が増えたり、運動神経がシグナルを発する速度が速くなったりして、筋力の増強が起こるのです。続いて起こるのが筋肥大です。筋肉を作る筋繊維1本1本が太くなり、筋肥大が起こります。肥大するのは主に速筋繊維です。筋力は筋肉の断面積に比例しますから、筋肥大に応じて筋力も上がり、姿勢を維持する能力もアップします。筋トレをずっと続けていると、筋繊維の間に潜んでいるサテライト細胞が既存の筋繊維と融合したり、新たな筋繊維を作って増えたりします。