楽しい!嬉しい!が脳を元気にする

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。なぜ、ワクワク、ドキドキが脳に良いのでしょうか。このワクワク、ドキドキと深くかかわっているのが「扁桃体」と呼ばれる脳の領域と、神経伝達物質である「ドーパミン」です。「扁桃体」はアーモンドのような形をした直径わずか1cmほどの小さな脳の領域です。「見る」「聞く」「触る」「嗅ぐ」「味わう」など感覚で得た情報が扁桃体に伝わります。そこで扁桃体は、好きとか嫌いとか、心地よいとか不快とか、あらゆる感情に仕分けしていきます。その仕分けのときに、楽しい!嬉しい!おいしい!素敵!と感じた時、扁桃体は「報酬系」とよばれる神経器官に指令を出して神経伝達物質を放出させます。その報酬系の伝達物質がドーパミンです。このドーパミンが記憶力を高め、また、心地よいという気持ちや、達成感、そしてやる気を生み出します。このプラス感情のときさかんに放出されるドーパミンが、神経細胞から神経細胞へ情報が伝達されることによって、前頭葉はじめ認知機能を担う脳を活性化するとても良い刺激となるのです。ではドーパミン以外に、扁桃体の指令によって放出される神経伝達物質はどのくらいあるかというと、記憶に関するもの、快楽ややる気に関係するもの、精神を安定させるもの、生体のバランスを整えるもの、痛みをやわらげるもの、幸福感につながるものなど、約100種類にも及びます。まさに扁桃体が、感情、つまり人の心をつくり出しているといえます。また「扁桃体」には、もう一つ大きな役割があります。実は「扁桃体」は「海馬」と隣り合った位置にあり、密接に関係しあっているのです。好き嫌いや、快不快の感情は、「扁桃体」から「海馬」に伝えられ、心が揺り動かされるような出来事は強く記憶されます。大切な思い出が「海馬」によって「長期記憶」にしっかりと留められるのは、この「扁桃体」が「海馬」に働きかけたことによるものです。また、怖い、危ないという感情も強く記憶され、これによって、人は危険から身を守っています。感情が記憶の働きに大きく影響していることからも、感情を豊かにすることが、記憶力を高め、脳を健康にすることがわかります。日々、会話を通して笑ったり、映画やテレビで感動して涙を流したり、楽しいと感じることは脳のためにとても良いことなのです。