脳の中に高速道路をつくる

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。脳のつくられ方には、もうひとつ興味深い点があります。脳の回路を一般の道路に見立ててみましょう。脳は、生まれてからすぐに一般道路をバーッとたくさんつくります。そして、あるところまでくると、たくさんつくった一般道路のうちよく使う道路を、強固で機能性にすぐれた高速道路にしていきます。反対に、あまり使わない一般道路はどんどん壊していくのです。まず、膨大な数の神経細胞が、それぞれ正確な位置に配置されます。道路は、その一つひとつの神経細胞と神経細胞がつながっていくことによってできます。それぞれの神経細胞は、伝達情報を他の細胞に送る枝と、他の細胞から受け取る枝の二つを持っています。それはあたかも、コンセントとプラグがそれぞれ先についた枝を持つかのようです。伝達情報を送る枝は1本で長く、受け取る枝は複数かつ複雑に分かれています。そして、それぞれがふさわしい細胞にその枝を伸ばして、接続コードをつなげていくかのように、どんどん結合し回路ができます。それら回路がある程度完成したら、よく使用する部分はより情報を早く伝達できるような高速道路に変えて、逆にあまり使わない部分は枝を切り離していくのです。このように、たくさんつくった一般道路を高速道路に変えたり、使わない道路を壊したりすることが、使用頻度によって決められるのだとすると、まさに私たち自身が脳をどのように使うのがよいか、その重要性が見えてきます。