疲れにくい筋肉をつくることはできる

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。人間はどのような運動でも、続けることによって疲れていきます。例として、フライパンを振る動きで考えてみましょう。数回であれば疲れを感じることはほとんどないでしょうが、それが300回、400回となると話は違います。やがては、「もうダメだ」という状態になり、フライパンを持つこともできなくなります。その「もうダメだ」という状態に至るまでに現れる最初の疲れは、脳などの中枢神経の疲れです。体としては「まだ大丈夫」という状態であっても、「これ以上続けると体がまいってしまうから、やめたほうがよい」という信号が脳で発生するわけです。これは決して「根性がない」とか、「怠ける」ということではなく、人間が生まれついて持っている防御機能です。さらに、それでも無理をして同じ運動を続けていると、今度は神経と筋肉のつなぎめで信号がうまく伝わらなくなる末梢性の疲れ(脳以外の体の疲れ)が生じ、最後に「筋肉そのもののエネルギーが足りなくなる」という、「疲労困憊」に至ります。「最近疲れやすくなった」という場合の疲れは、まず、中枢神経系の疲れが疑われます。「疲れた」と感じていても、「ここで、ひと頑張りしなければならない」というときには、きちんと筋力を発揮できることでしょう。加齢とともに筋力が低下してくると、以前と同じ運動でも相対的に筋肉にかかる負荷が大きくなるので、最初の中枢神経系の疲労もより早く現れると考えられます。以前は「まだ大丈夫」と脳で判断できる状況であったものが、筋肉の衰えによって辛いものとなり、早い段階で無意識のうちにブレーキがかかるようになるわけです。これは息が上がるような激しい運動だけではなく、日常生活の運動にもあてはまります。ずっと立っていることや歩くことでも、筋肉の衰えによって、中枢神経系の疲れにつながりやすくなってしまうのです。人によって普段の生活でよく使う筋肉は違うため、疲れにくい体にするための工夫もいろいろなものが考えられます。例えば座って作業をすることが多い方は、脊柱起立筋などの姿勢を保つ筋肉を鍛えることが、「座っているだけでも疲れを感じる」ことの予防に役立ちます。一般的には「ある部位の筋肉の衰えが、どのようにストレスを与えるのか」は、判断が難しいので、一部の筋肉に限定して鍛えるのではなくて、全身をバランスよく鍛えるように心がけるとよいでしょう。