首の痛みと筋肉の関係

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。本を読んだり、パソコンやスマートフォンを使用したりしているときに、首に痛みやこりを感じたことはありませんか?とくにパソコンを使うと背中を丸めて顔を少し前につき出すような姿勢となりがちですが、じつは、その姿勢は首に負担をかけます。最近、よく耳にするストレートネックも、パソコン作業が原因である場合が少なくないとされています。首のまわりは、健康を保つうえでとても重要な部位です。人間の思考や感情をつかさどる脳を中心に考えると、首の不調は脳と体の連携にも影響する可能性があります。実際に、高齢者を対象に首の傾斜と転倒の危険性を調査したところ、首が傾斜していると転倒の危険性が増すことが判明したという研究結果も発表されています。首のまわりにはたくさんの筋肉がありますが、首の前面の筋肉である胸鎖乳突筋は加齢の影響を強く受けるということが明らかになっています。また、首の後ろ側にある僧帽筋も不調を予防するためには鍛えたい部位です。とはいえ、首はとてもデリケートな部位であるため、無理なトレーニングはケガを招く可能性もあります。僧帽筋は比較的大きな筋肉ですが、そのほかの首のまわりの筋肉は小さな筋肉で、専門のマシンがないと一人でトレーニングするのは難しいでしょう。何か特別な運動をするとしたら、ハードなトレーニングではなく、首まわりのストレッチなどで「コンディショニングを行う」程度で十分です。むしろ大切なのは、普段から姿勢を意識することです。立っている時はもちろん、座っている時にも背すじは伸ばして、体を曲げるような姿勢をとらないように気をつけましょう。なお、人間の体の構造上、首だけが傾斜しているということはあまり多くありません。よくあるのが、腰が少し右に傾いていると、全体のバランスをとるために首を左に傾けるというようなケースです。そのようなバランスの乱れが長期間にわたって続くと、首にも影響が出てくることになります。普段から姿勢が悪いと思われる方は、首周辺の筋肉だけではなく、脊柱起立筋などの体幹を支える筋肉も積極的に鍛えましょう。