人体が耐えられる最高温度・最低温度

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。沸騰した熱湯の中に落ちれば、生身の人間はほぼ即死です。しかし一方で、100℃を超える蒸気サウナには5分程度なら入っていられます。熱湯とサウナ、つまり水と空気では熱容量に違いがあります。同じ容積量の水と空気では水のほうがより多くの熱を蓄積し、同時にその熱を伝える熱伝導率が高いです。そのため、熱湯に触れると皮膚はダイレクトにダメージを受けますが、空気の熱が皮膚に与えるダメージは比較的少ないのです。サウナの高温に耐えられるのは、湿度が低いことも要因の一つです。大量にかいた汗が膜となって皮膚の乾燥を防ぎ、これが蒸発するのと同時に体の熱を奪い、余計な熱がこもるのを防ぎます。人間の汗は非常に効率的な放熱手段です。1906年にアメリカ空軍が行った実験では、裸の人間が乾燥した空気の中で耐えられる最高温度は204℃でした。また、地球上の最低気温は、1983年にロシア・ボストーク基地で観測されたマイナス89.2℃です。空気の熱伝導率が低いとはいえ、とうてい生物の棲める場所ではありません。人体の平均体温は36℃で、30℃以下になると筋硬直が始まり、28℃以下で昏睡状態、20℃を下回ると死亡する可能性があります。