私達の口の中は常に唾液が分泌されていて、潤った状態にあります。唾液は口の中の複数の唾液腺というところから出ていて、健康な人なら通常、1日で約1リットルも分泌されています。唾液の役目でよく知られているのは、食べた物を湿らせ、柔らかくして飲み込みやすいようにすることです。この作用は唾液中の酵素がデンプン質を分解して、消化と栄養吸収を助けています。さらに唾液は口内を洗浄し、歯の表面に膜を作って虫歯を防いだり、食べ物についたばい菌を殺菌・抗菌して発がん性物質を抑制したりと、細菌の繁殖を抑える働きもあります。また、食べ物の美味しさがわかるのも、発音や会話がしやすいのも、唾液がいつも口の中に湿り気を与えているからです。この様に唾液には色々な働きがあり、他にもたくさんの役目を持っています。逆に、口の中が乾いた状態(ドライマウス)が続くと、歯周病が急に増えたり、口臭が強くなったりと数々の口内トラブルが起こってしまいます。唾液の分泌量は、噛む回数の少ない食事や薬の多用などにより減少します。歯応えのよい物を食べたり、よく噛む習慣をつけることが大切といわれるのはこのためです。
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