2021年3月ブログ
2021年
3月
29日
月
本八幡の整体院より,口と腸は免疫ルートでつながっている
本八幡の整体、風の整体院の岩田です。口腔は腸へと続く消化ルートのスタート地点です。つまり、口と腸は物理的につながっているわけですが、これまでは、機能的にはそれほど深いつながりはないと思われていました。ところが、歯周病菌をマウスに飲ませると、腸内細菌のバランスがくずれるということが実験で証明されたことなどから、口腔と腸は機能的にも強く影響し合っていることがわかってきたのです。この関係については、新潟大学の研究が明らかにしたもので、歯周病の代表的な病原菌であるポルフィロモナス・ジンジバリス菌(Pg菌)をマウスの口腔から投与するという実験が行われました。その結果、マウスの腸内細菌のバランスが大きく変化して、全身的な炎症を引き起こしたというものです。これはすなわち、口腔の環境が悪くなって歯周病が進むと、腸内細菌のバランスが乱れて腸内環境も悪化することを表しています。これらの腸内細菌は、ある種のリンパ球の発達などにもかかわりがあるため、腸内環境が低下すると免疫機能の調節が難しくなってきます。片や、口腔内の免疫細胞というのは、腸管で成熟したものがリンパ管を通じて口腔に達したものです。ということは、腸内環境が悪化することは、口腔内の免疫パワーの低下にもつながるということになるのです。口と腸は、ただ食べものの消化ルートとしてつながっているだけでなく、免疫機能という大事な役割の面でも、お互いに影響し合っているわけですね。ですから、よく嚙んで唾液をしっかり分泌させ、口腔のよい状態を維持していれば、口の中だけでなく、直接つながっている腸内の環境もよくなります。腸内細菌のバランスが整っていることは、全身の免疫力が強化されることにもつながります。
2021年
3月
22日
月
本八幡の整体院より,歯周病と糖尿病の関係
本八幡の整体、風の整体院の岩田です。日本の糖尿病患者は1000万人を超え、予備軍も含めると2000万人にも上るといわれています。糖尿病はご存知のように、インスリンという血糖値をコントロールするホルモンの働きが悪くなる病気です。歯周病との密接な関係については、アメリカ・コロンビア大学の研究でも明らかにされています。それは、4本以上歯を失くしていて、歯周ポケットの26%以上が中程度の5ミリ以上ある人のうち、73%が糖尿病にかかっていたというデータです。しかも、血糖コントロールの状態を知るための目安とされている血中のHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)値が5.7%以上ある糖尿病予備軍も含めれば、その確率は92%まで上がるそうです。つまり、歯周病の人は、ほとんどが糖尿病かその予備軍といえるわけです。歯を失うことと栄養素の関係で、興味深いデータがあります。虫歯や歯周病のために歯の数が減ってくると食生活が変わり、ほとんどの栄養素の摂取が減ってしまいます。ただひとつだけ、歯の数に関係なくしっかり摂取できている栄養素があるのですが、何かおわかりですか。正解は炭水化物です。穀物やイモ類などの炭水化物は、あまり歯で嚙み砕かなくても食べられるため、歯が失くなってくると、この摂取割合が高くなってきます。炭水化物は、糖質と食物繊維に分けられますが、ご飯などの穀類もイモも、糖質が多く含まれていますから、血糖値を上げやすい食品です。炭水化物に偏った食生活は、糖尿病につながります。糖尿病の怖さは、いろいろな合併症を起こしやすくなることにあります。中でも、手足の神経に異常をきたして痛みやしびれを伴う糖尿病神経障害、網膜の毛細血管が傷つき、失明の恐れもある糖尿病網膜症、腎臓機能が低下して人工透析を余儀なくされる糖尿病腎症の3大合併症のリスクが高くなります。糖尿病の悪化の一因は、歯周病にあるといわれています。また逆に、糖尿病が歯周病を進行させることもあります。歯周病で歯を失うようなことになると、糖尿病もさらにひどくなって合併症を起こさないとも限りません。糖尿病で体内年齢が上がって、痛みやしびれ、失明、人工透析などに苦しめられないようにするためにも、口腔のケアを念入りにして歯周病の進行を止め、糖質の摂り過ぎにも気をつけましょう。
2021年
3月
18日
木
本八幡の整体院より,歯周病からはじまる全ての病
本八幡の整体、風の整体院の岩田です。若々しく年を重ねたいと思っても、自分の歯がだんだん減って食べたいものも制限されて…ということになったら、人生の楽しさも半減してしまいますね。そのように歯を失ってしまう最大の原因となるのが、歯周病です。歯周病は、歯と歯肉の間にある歯周ポケットから細菌が入り込んで、歯周組織が炎症を起こすものです。細菌が歯を支えている歯槽骨を溶かしてしまい、最終的には歯が抜けてしまう、歯肉と骨の感染症です。早ければ、10代から初期症状がはじまることもあり、40代、50代で患者数が急速に多くなります。2017年の厚生労働省の調査では、歯肉炎・歯周疾患の総患者数は約398万人(男性約162万人、女性約236万人)で、3年前の前回調査より66万人以上増加しています。この数字は、継続的な治療を受けていると推測される患者数ですから、自覚症状がなかったり、あっても治療を受けていなかったりする人は、その何倍にも上ると思われます。実のところ、歯周病は今や成人の8割がかかっている国民病とも言われています。自覚症状がなかったり…と書きましたが、「サイレントキラー」とも呼ばれる歯周病は、初期の段階では、ほとんど自覚症状が出ることはありません。そのために気づかないことも多く、やがてちょっと噛みにくいなと感じても「年のせいかな」などと、さらに放置してしまうことも少なくないのです。その結果「歯がグラグラする」「歯が痛い」などの症状が出てきたときには、すでに歯周病が重度にまで進行していて、歯を失うケースも珍しくありません。さらに恐ろしいのは、歯周病菌やその菌が放つ毒素が歯周の血管に侵入し、血流にのって運ばれることです。この菌や毒素が全身にばらまかれると、体のあちこちで慢性炎症を起こすことになるのです。急性の炎症とは違い、気づかないうちにじわじわと続く慢性の炎症。これが、いつの間にか動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病、ガンなど重篤な病気を引き起こすことになります。歯周病も、慢性炎症も「気づかなかった」ではすまされないのです。
2021年
3月
08日
月
本八幡の整体院より,ネバネバ唾液とサラサラ唾液
本八幡の整体、風の整体院の岩田です。「よし、やるぞ!」というときに、昔はペッと両手に唾を吐きかけて…という姿が、時折見受けられました。これは、何か道具をもつ手がすべらないように、すべり止めの目的で行われたようですが、万全の態勢で気合を入れているわけですね。今なら、こんなことをやると「うわっ、キタナイ~」と嫌がられそうですが、気合が入るのはわからないでもありませんね。気合が入っている場合だと、自律神経の交感神経が優位になっているということですから、唾、つまり唾液は少々出にくくなっています。ストレスを感じているときと同様に、粘り気のある唾液になっているはずです。これは「粘液性唾液」と呼ばれています。このネバネバの正体は、ムチンというタンパク質の一種です。この成分は、口から侵入してきた細菌などをブロックする役目をしています。と同時に、口の中の粘膜を保護したりするなど口と体を守る大事な働きをしています。一方、食事をしているときなど、副交感神経が優位のリラックスしている場合には、サラサラした唾液が多く分泌されます。これは「漿液性唾液」と呼ばれ、唾液アミラーゼなど消化酵素をたくさん含んでいて、消化吸収をサポートする役割があります。特に、食べものと混ざって水分を与え咀嚼をしやすくすると同時に、飲み込みやすくして食道へスムーズに送り込むのも、この唾液の働きのひとつです。このサラサラの唾液のほうは、主に耳下腺、顎下腺から分泌され、粘り気のある唾液のほうは、主に舌下腺、顎下腺から分泌されています。唾液は99.5%が水分でできています。水分以外の残りの0.5%は、カルシウム、リン酸、ナトリウムなどの無機成分と、ムチンやIgA、ラクトフェリン、リゾチーム、アミラーゼなど免疫や抗菌の有機成分が含まれています。ほとんどが水分なのですが、有能な成分の働きによって、サラサラだったり、ネバネバだったりうまく使い分けながら体をサポートしてくれているのです。
2021年
3月
01日
月
本八幡の整体院より,唾液を助けるビタミンC
本八幡の整体、風の整体院の岩田です。ものを食べるとき、唾液がしっかり出ないと、消化・吸収の力を十分に発揮できません。また、咀嚼や嚥下の働きも悪くなりますし、口内の自浄作用、殺菌・免疫、皮膚や粘膜、脳の働きなどにも影響することは、すでにお話しした通りです。若返りのキーとなる、この唾液を分泌するのは唾液腺の役割で、それを担っているのが耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つの大唾液腺と、口腔のあちこちにある小唾液腺です。これらの唾液腺は、酸化に弱いという特徴があります。そのため、ビタミンCなどの酸化に対する抵抗力のある栄養素を必要とする臓器です。例えば、抗酸化物質として知られるコエンザイムQ10を摂ると、唾液腺の機能が向上することがわかっています。コエンザイムQ10は、エネルギー代謝などにも欠かせないビタミン様物質です。40年以上も前の実験ですが、モルモットにビタミンCを摂らせ、6日後に体内の臓器を調べたというものがあります。その結果、中枢神経や下垂体、唾液腺、副腎、胸腺、精巣、網膜、水晶体などで、高い濃度のビタミンCが測定されたそうです。そもそもビタミンCは水溶性で、摂ってもすぐに排出されてしまうと考えられてきました。しかも、動物は基本的に自分の体内でビタミンCを合成できますが、モルモットは、人間と同様に体内でビタミンCを作ることができません。この調査の結果はつまり、脳や副腎や唾液腺ほかビタミンCを必要とするところには、摂取したビタミンCがしっかりと貯蔵されているということを示しています。実は、体には「需要が大きい臓器に栄養は集結する」という、よくできたシステムがあるのです。もちろん、体内で十分に作れない栄養素であれば、自分でしっかり摂取しないと、臓器まで届かないことはことは言うまでもないでしょう。必要とする栄養素は臓器によって違いますし、特に不調がある場合には、その臓器に必要な特有の栄養素が欠乏している場合があります。ところで、ビタミンCと言えば「美肌」と思う人もいるかもしれませんね。確かに美容効果もありますが、体内の優先順位は生命活動を維持することが上です。肌にまでビタミンCが行き渡るには相当量のビタミンCを摂る必要があります。ですから、ビタミンCをタップリ補給し、唾液腺の酸化を防いで機能をアップすれば、唾液の力で体の内側から若返れるはずです。おまけに、美肌の副産物も期待できるかもしれませんよ。