2017年5月ブログ

2017年

5月

29日

ウォーキング神話

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。いまの世の中には「ウォ―キング神話」といったものが存在しているようです。早朝や夜、健康のために歩いたり散歩をしたりしている方も大勢見かけるようになりました。テレビの健康番組や健康雑誌などでも「歩くことは健康にいい」とさんざん紹介しています。もちろん、それは間違いではありません。ウォ―キングは生活習慣病の予防や改善にぜひとも取り入れていただきたい習慣です。ただし、もし「ウォ―キングをやってりゃ大丈夫だよな」とか、「ウォ―キングさえしてれば、他のことはやらなくていいよね」といった姿勢でいるのなら、それは大きな間違いです。ウォ―キングは万能ではありません。ウォ―キングだけでは筋肉を鍛えることはできません。それは科学的にも証明されていることなのです。筋肉には「速筋」と「遅筋」という二つのタイプがあります。それぞれの役割はまったくの文字通りで、速筋は速い動きをするときに使う筋肉で、反対に遅筋はゆっくりとした動きをするときに使う筋肉です。私たちは動作や運動によって、この二つの筋肉を使い分けています。100m走などの短距離を走る際に使われるのが速筋で、瞬発的に大きな力を出せるかわりに疲れやすいという特徴を持っています。一方、マラソンなどの長距離走で使われるのが遅筋です。こちらは、大きな力は出せないものの、持久力があり疲れにくい特徴を備えています。速筋は白っぽい色、遅筋は赤っぽい色をしていて「白筋」、「赤筋」と呼ばれることもあります。実は加齢によって筋肉が減少する割合は、遅筋よりも速筋のほうがずっと大きいのです。1年1%、10年10%じわじわと減っていく筋肉はほとんどが速筋で占められているということです。ウォ―キングやジョギングなどの持久系の運動で使われるのはほとんどが遅筋であり、速筋はまったくといっていいほど使われないため、筋量低下防止につながらないのです。速筋の減少を食い止めるには、どんな運動よりも真っ先に筋トレ(スクワットなどの無酸素運動)を行っていく必要があるのです。

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2017年

5月

28日

老化で歩幅が狭くなる原因

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。前回、老化で歩行スピードが低下するのは、徐々に歩幅が狭くなっているからということをお話ししましたが、では、どうして歩幅が狭くなっていってしまうのでしょうか。その原因は、従来から「下肢の筋力が全体的に低下したため」とされてきたのですが、近年の研究によって、そのなかでもとりわけ歩行能力低下に影響を及ぼす筋肉が存在することがわかりました。その筋肉が「大腰筋」です。大腰筋は、腰の脊柱(腰椎)と太ももの大腿骨とをつないでいるインナーマッスルです。上半身と下半身とをつないでいる唯一の筋肉であり、直立二足歩行をするために非常に重要な役目を果たしていることがわかっています。また、大腰筋は歩行の際に足を引き上げたり踏み出したりする動作をつかさどっているのですが、この筋肉が加齢とともに衰えてくると、足を大きく上げたり大きく踏み出したりすることがだんだんできなくなってきます。それで徐々に歩幅が狭くなって、歩行スピードが低下していくというわけです。それに、大腰筋が衰えて、年々少しずつ足が上がらなくなってくると、舗道のわずかな段差に足をひっかけてつまづいてしまったり、簡単に越えられそうな障害物に足をとられて転んでしまったりということが多くなってきます。みなさんも、「どうしてこんな何でもない場所で転んでしまったんだろう」というような経験をされたことはありませんか。もし、思い当たるなら、大腰筋が着実に細ってきている証拠です。足の上がり幅や踏み出し幅が年々少しずつ狭まっているから、これまではひょいっとラクに越えられたはずの「わずかな段差」や「ちょっとした障害物」に足がひっかかってしまうことになるのです。ある時、ある場所で、つまずいたり転んだりしてしまったのは「不注意」でも「不運」でもなく、明らかな老化現象であったというわけです。

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2017年

5月

27日

加齢による歩行スピードの低下

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。よく「人は足から老化する」と言われます。これはたいへん的を射た言葉であり、短いフレーズで老化の進行の特徴をうまく言い当てています。みなさんは、下半身と上半身とでどれくらい筋肉量の減少率や萎縮度が違うかご存知でしょうか。なんと、下半身のほうが1.5倍も大きいのです。たとえば、下半身の太ももの筋肉は、50代になると20代のときに比べて30%も減少してしまいます。でも、上半身の上腕の筋肉は、同じ50代で12~13%程度の減少に留まっています。こんなにも筋肉の減少率に差があるのですから、足から衰えていくのも当然なのです。足の筋肉が衰えれば、だんだん歩行能力が低下してくるようになります。なかでも衰えが現れやすいのは「歩くスピード」です。実を言うと、歩くスピードというのは、すでに40代、50代から少しずつ低下しているのです。40代から歩行能力が衰え始めているなんて聞くと、驚かれる方も多いのではないでしょうか。でも、これは事実です。そもそも歩行能力は高齢になってから急にガクンと落ちるわけではありません。1年1%、10年10%という筋肉の減少率と歩みを合わせるように、徐々に落ちてきているのです。おそらく、1日1日あまりにも少しずつ衰えているために、多くの人は自分の歩くスピードが遅くなってきていることに気づかないのでしょう。歩行スピードというのは、歩く際の「ピッチ(歩調)」と「歩幅」によって決まっています。このうちピッチのほうは老化の影響をあまり受けません。20代の人と60代の人の歩く際のピッチを比較したところ、ほとんど差が見られなかったという報告もあります。一方、歩幅のほうは、40代、50代から年齢を重ねるごとに少しずつ低下していくことがわかっています。ですから、老化で歩行スピードが低下するのは、徐々に歩幅が狭くなっているせいということになるのです。

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2017年

5月

26日

寝たきり老人にならないために

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。みなさんは「サルコペニア」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ラテン語の「サルコ=筋肉」と「ぺニア=減少」が組み合わさった言葉で、筋肉量が減少してしまう状態のことです。私たちの筋肉は20代以降、1年に約1%の割合で減っていきます。サルコペニアは、これが過度に進んでしまう現象を指します。サルコペニアは、とりわけ高齢者に進みやすい傾向があります。筋肉の減少速度は70歳くらいまでは年1%くらいのペースで進むのですが、75歳前後から落ち方が急になり、筋肉量を大きく低下させてしまうことが多いのです。高齢者の場合、サルコペニアによる筋力低下から転倒骨折をしてしまい、それが寝たきりの原因となってしまうことも少なくありません。また、筋力が低下すると、歩いたり体を支えたりといった基本的な生活機能がガクンと落ちてきます。すると、ちょっとした作業を行っても大きな疲労感を感じるようになり、それが面倒で家事をしたり外に出て何かをしたりする意欲をだんだん失ってしまいます。そして、普段の生活で体を動かさずにいると、さらに筋肉量が減ってしまい、いっそう動くのが嫌になってしまうことになります。こうした悪いサイクルが何年も積り積もって体が動かなくなっていき、多くの「寝たきり老人」をつくっていくことになるわけです。ですから、高齢者の方々は普段から筋量アップに努め、サルコペニアを進ませないようにしなくてはなりません。では、どれくらい筋肉が減るとサルコペニアに該当するのかというと、1万403人の方の筋肉率のデータを元に基準値が作成されています。この基準では体組成計で測定したときの筋肉率が男性で27.3%未満、女性で22.0%未満の場合をサルコペニアとしています。ゆくゆく寝たきりになりたくないのであれば、早いうちからサルコペニア対策を視野に入れた運動(筋トレ+有酸素運動)を生活に取り入れるのが必須です。とくに60歳を過ぎたならば、筋肉を増やしておくことは「寝たきり防止のために最低限やっておかなくてはならない努め」だと考えるべきでしょう。

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2017年

5月

25日

90歳でも筋肉は増やせる

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。ありがたいことに、筋肉はどんなに歳をとっても増やすことのできる器官です。運動をすれば、80代であろうとも90代であろうとも筋肉量を増やせることが科学的に証明されています。つまり、何もしなければ落ちる一方ですが、ちゃんと運動で鍛えてさえいれば、毎日の活動に十分なパワーをキープすることができますし、鍛えようによってはパワーのレベルを引き上げることもできるのです。さすがに70代になってから20代の筋肉量に戻すというのは無理ですが、何歳からでも筋肉量を10~20%程度増やすのは十分に可能です。そして、筋肉量が増えると、体が疲れないように変わってきます。筋肉という工場の生産ラインが増えてくると、生み出せるエネルギーが増えてきて、以前よりも楽に体を動かせるようになっていきます。筋肉にはATP(アデノシン三リン酸)というエネルギー生産サイクルがあり、筋肉という工場が増加するとこのATPサイクルがうまく回転していくようになります。これにより、日々疲れをためることなく、旺盛で活発な活動ができるようになっていくわけです。ですから、中高年になり疲労や活力の衰えを感じるようになってきたなら、「筋肉という工場が少なくなってきたんだな」と自覚して、「筋肉をつける運動」をしっかり行っていくべきなのです。筋肉量の落ち方は人により違います。その落ち方を川の流れにたとえるならば、最初からゆとりがなく、急な流れのなかを何もできないままどんどん落ちていってしまう人と、もともとゆとりがあって、緩やかな流れのなかを余裕しゃくしゃくで落ちていく人とがいるようなものです。ただ、急な流れのなかにいようとも、筋肉をつけていけば、その流れをゆったりとしたものに変えていくことができます。どんどん筋肉が減ってしまうハイペースに「待った」をかけて、筋肉の減少スピードを余裕のあるスローペースに変えていくことができるのです。筋肉減少の流れが変われば、体の老化の流れも変わってきます。つまり、筋肉をつけていけば、体力や活力が衰えていくペースに歯止めをかけて、老化のスピードをゆるめていくことができるのです。

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2017年

5月

23日

筋肉は毎年1%減っている!

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。この頃、体の疲れが抜けなくなってきた…朝からずっしり体が重いし、日中疲れるのが早くなった気がする…夜になればもうぐったり…そんなため息をついている方はいませんか?では、そんなお疲れのみなさんに質問です。みなさんがいま40代だとして、20代のときに比べてどれくらい筋肉量が減っていると思いますか?答えは20%。20代の時点が100だとすれば、80のレベルにまで筋肉が落ちてしまっているのです。もっと年齢が高くなれば、さらに筋肉量低下は進みます。その推移をざっと挙げてみると

50代ー30%減

60代ー40%減

70代ー50%減

70代になると、20代のときの半分の筋肉量にまで落ちてしまうことになるわけです。人間の筋肉は、20代をピークとして、以後、中長期的に細く小さくなっていき、およそ年1%の割合でじわじわと減っていきます。つまり、1歳、歳をとるたびに、年々筋肉量が1%ずつ減っていくわけです。1年1%なら10年で10%ですから、40歳、50歳、60歳、70歳と歳を重ねるごとに10%ずつ減っていくことになります。なお、こうした筋肉量低下が及ぼす影響は30代であればそれほど目立たないのですが、40代を過ぎたあたりから、徐々に体に影響が現れてくるようになります。そして、何を隠そう、この筋肉量の低下こそが、みなさんの体の疲れが抜けない原因なのです。

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2017年

5月

22日

愛情ホルモンは認知症に効く?

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。オキシトシンは、視床下部でつくられ、下垂体後葉から分泌されるホルモンで「愛情ホルモン」「幸せホルモン」「抱擁ホルモン」「癒しホルモン」などと呼ばれています。動物には本来、自分を守るために、自分以外の相手を恐れ、攻撃する原始的な本能があります。オキシトシンは知らない相手を恐れるという自己防衛本能を打ち消し、仲間と共存するためになくてはならないホルモンです。オキシトシンは、分娩時に子宮を収縮させたり、分娩後、乳腺の筋繊維を収縮させて母乳の分泌を促す作用があり、女性にとって赤ちゃんを出産し、育てるために重要な働きをしています。また、母親が赤ちゃんを抱きしめ、授乳することによって赤ちゃんからもオキシトシンが分泌され、赤ちゃんは安心した穏やかな精神状態になるとともに母親の愛情を感じ取ります。親子の絆、特に母親と子供の固い絆はこのときに形成されます。さらにオキシトシンには痛みを軽減させる効果があります。みなさんの中にも子供の頃、お腹が痛いときに母親にお腹をさすってもらうと痛みが和らぐことを経験した方もいると思います。これはお腹をさすってもらうことによって鎮痛作用を持つオキシトシンが分泌されるためです。さらに、最近の研究で、オキシトシンはストレスを緩和し、幸せな気分をもたらす作用があることがわかってきました。ストレスは軽度認知障害・アルツハイマー病の要因となります。したがって、オキシトシンによるストレス緩和は軽度認障害・アルツハイマー病の予防、あるいは進行を遅らせる効果があるかもしれません。体に触れられるだけでオキシトシンは脳から分泌されます。スウェーデンや日本の医療機関で認知症患者さんの背中・手などをさすってあげる「タッチケア」を試したところ、徘徊、易怒性、易興奮性、暴言などの認知症周辺症状が軽減したと報告されています。昔、日本では治療のことを「手当て」と呼んでいましたが、これはオキシトシンを分泌させることを意味していたのかもしれません。面白いことに、オキシトシンは体に触れられる人だけでなく、体に触れる人にも分泌されます。恋愛、友人、信頼関係を築く際にもお互いの脳からオキシトシンが分泌されます。また、手助けされる人と手助けする人、ボランティアをされる側の人とボランティアをする側の人両方にオキシトシンは分泌されます。日本では、認知症ケアの一環として「デイサービス」がありますが、参加するだけでなく、そこで自分より重症の人と接し、何らかの手助けをすることができればお互いに認知症状を軽減できる可能性があります。

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2017年

5月

20日

よい睡眠は記憶力をアップする

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡駅 風の整体院 岩田です。睡眠は浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠があり、ノンレム睡眠からはじまってノンレム睡眠とレム睡眠が90分周期で交互に現れます。睡眠時には、学習(勉強)して得られる新しい情報、あるいは視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感を通したあらゆる情報の脳への入力が軽減、あるいは遮断された状態となっています。睡眠前に入力された情報は記憶としていったん海馬に保管されますが、レム睡眠は海馬に保管された記憶を書き換えられにくい大脳新皮質に移動させる、つまり睡眠前入力された情報を記憶として定着・固定する効果があります。「よい睡眠」とは、一晩に4~5回のレム睡眠を目安とし、レム睡眠の周期で目覚める睡眠です。このことを考慮すると、睡眠時間は6時間から7時間30分が理想といえます。このように、規則正しい「よい睡眠」をとることで記憶をアップさせることが可能となります。また、昼寝をすることでも記憶力がアップするといわれています。それは、昼寝によって脳がリフレッシュし、情報収集がリセットされて、集中力が回復するからかもしれません。夜の睡眠も昼寝もノンレム睡眠からはじまります。ノンレム睡眠は眠りの深さによって深度1から深度4までの4段階に分類されています。効果的な昼寝の時間はノンレム睡眠深度4に至らない30分以内が効果的といわれています。これ以上長い時間の昼寝になると、覚醒後に「脳をすぐに再始動できない」という状況になりかねません。

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2017年

5月

19日

よく噛むと脳が働く

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。子供のころ、「ものはよく噛んで食べなさい」と言われたことはないですか。同じようなことを言われた経験がある方は多数いらっしゃると思います。脳にとって「ものをよく噛む」ということは非常に大切なことです。唾液のなかには「神経成長因子」というタンパク質がたくさん含まれています。神経成長因子は、その名のとおり、神経を成長させる(神経の軸索を伸ばす)神経伝達物質の合成を促進する、傷ついた神経細胞を回復させる、神経細胞の老化を防止するなどの働きがあります。ものをよく噛めば唾液の分泌は増え、当然、そのなかに含まれる神経成長因子もたくさん分泌されるということになります。分泌された神経成長因子は脳に働いて脳の機能を向上させると考えられます。「ものをよく噛む」のに重要な働きをしているのが歯です。歯がなくなると、十分に食物を噛むことができなくなり、唾液の分泌も少なくなります。唾液の分泌減少にともなって、神経成長因子の分泌も少なくなるのです。最近の研究で、「歯の本数が少ない人はアルツハイマー病になりやすい」という報告があります。また、残っている歯の本数が少ないほど脳の萎縮が進んでいるという結果も出ています。疫学調査でも、正常な本数の歯がある人と比較して、歯を失うと認知症の発症率が約2倍になっています。実験的にも、奥歯を抜いたマウスの群は、海馬の神経細胞数が減少し、学習・記憶能力が低下することが明らかになっています。このように、歯を大切にし、歯がない人は入れ歯を入れて、よく噛んで食事をすることは、脳を保護して脳の機能を維持・向上させるために極めて大切なことであると思われます。どのような根拠で生まれたかはわかりませんが、昔の言い伝え・教訓・ことわざは、非常に理にかなったものが多いとつくづく感じます。

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2017年

5月

16日

朝食を抜くと頭の働きが鈍る?

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。脳の血液量は身体全体の15パーセントも占め、脳の重さは体重の2パーセントしかないのに、エネルギー消費量は身体全体の20パーセントにまで達します。このことは、脳が大量のエネルギーを消費する、いいかえれば、脳が働くためには大量のエネルギーが必要であるということを意味しています。最低限生きていくために必要なカロリーを基礎代謝といいます。基礎代謝量が1日に2000キロカロリーとすると、脳だけで400キロカロリーが消費されます。脳のエネルギーの源となるもっとも重要な栄養素が「ブドウ糖(グルコース)」です。ブドウ糖は砂糖そのもの以外に米、パン、麺類などの炭水化物にたくさん含まれています。睡眠中にも脳のブドウ糖は消費され、朝起きたときには脳のブドウ糖は不足しています。したがって、朝起きて朝食を摂らないとブドウ糖を脳に供給できないため、脳の働きは鈍ります。つまり、脳の働きをよくするために朝食は非常に重要ということです。

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2017年

5月

15日

カレーを食べると認知症の予防になる?

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。あるデータによると、インド人は認知症(アルツハイマー型)の発症率が少ないそうです。一説によると、インド人のアルツハイマー型認知症の発症率は、アメリカ人の4分の1程度だそうです。アメリカ・アルツハイマー病協会によると、アメリカ人の患者数は530万人(2010年)とのことですから、インド人のアルツハイマー型認知症患者は130万人ほどになります。インドの総人口が約12億5000万人ですから、比率的にもかなりの少なさです。ちなみに日本における同型の患者数は約277万人(2010年)です。では、どうしてインド人は認知症になる人が少ないのでしょうか。その理由は、カレーに含まれるスパイ成分であるクルクミンにあるのではないかと考えられています。クルクミンは抗酸化作用や抗炎症作用があり、脳神経細胞を保護する働きがあります。しかし、抗酸化作用なら、緑茶、赤ワイン、ココアやチョコレートのカカオマスなどのポリフェノール、ビタミンE、ビタミンCなどにもあります。一概にクルクミンだけが認知症を予防するとはいえないと考えられます。とするなら、インド人の認知症の発症率が少ないのは、ほかにどんな理由が考えられるのでしょう。インドでは乳児死亡率が高いこともあって、平均寿命が65歳と低いことも影響しているのかもしれません。要するに認知症を発症させる前に亡くなってしまうのです。

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2017年

5月

13日

誠実で実直な人は死亡リスクが低い

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。「正直者が馬鹿を見る」「憎まれっ子世に憚る」など、誠実な人ほど損をして、生きづらいようなたとえの言葉がいくつかあります。確かに実社会において、ずるがしこく立ち回れる人のほうが得をするようなことは、残念ながらよく起きます。しかし、こと「寿命」に関して語る際には、「正直者が長生きする」「憎まれっ子はあの世に近い」などと、言葉を変える必要があるようです。人生の過ごし方と寿命の関係について、近年明らかになったことがあります。世界各国の人々の人格と死亡リスクとの関連について調査された7つの論文を、フィンランドのヘルシンキ大学の研究者らが統合し、その解析結果が発表されました。研究者らは、調査対象者(合計約7万6000人)の質問票に対する答えをもとに、その人格的傾向を①外向性、②神経質、③同調性、④寛容性、⑤実直性、誠実性のカテゴリーに分け、それぞれ5段階で評価したうえで、それらの人格的傾向が死亡リスクと関連性があるかどうかについて調べました。そして明らかになったのは、⑤の実直性・誠実性のみが死亡リスクと有意に関連性が認められるということです。より具体的に言えば、セルフコントロール力があって、計画的に物事を進め、何事にも手を抜かずまじめに取り組むなど、人格的に実直性・誠実性が強いと判定された人々は、それが希薄と判定された人々よりも、死亡リスクが30%以上も低くなりました。つまり、個人の人格的傾向の中でも「実直性・誠実性」が、とくに生活習慣によく反映され、ひいては寿命にも影響を与えるということが言えるのです。目先の楽しみばかりを追って快楽的に時を過ごすよりも、人生に目標を持ち、実直に健康管理を続けていくほうが、より長く人生を楽しむことができるようです。人をだましたり、貶めたりして高笑いしていられるのは、きっと人生のほんの一瞬にすぎません。最後には、実直で誠実な人生を歩んできた人が残るというのは、極めて納得のいく人生の在り方であるという気がします。

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2017年

5月

12日

強みを生かす?弱点を改善する?

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。「弱点を克服するべきか、強みを伸ばすべきか」仕事、スポーツ、試験など、さまざまな場面で問われることのある選択だと思います。どちらを選ぶかは状況や自らの性格次第ではありますが、一般的には「自分の弱点を知り、それを克服していくことで成長する」というような発想を持っている人が多いのではないでしょうか。しかし、人生を幸福に生きていくということにスポットを当てるなら、弱点克服よりも強みを生かすほうが、幸福度が上がります。アメリカのペンシルベニア大学の心理学教授でポジティブ心理学の提唱者とされるマーティン・セリグマン博士は、仕事や生活の中にプラスに生かすことのできる性格上の強みを、24に分類しました。そして、これらから自分にもっともよく当てはまる性格上の強みをいくつか選び出し、日常や仕事の中で意識的に行ってみることで、抑うつ気分が減り、幸福度が上がることを明らかにしました。その後に報告されている「自分の強みを使うこと」について観察した9つの実験を分析した結果においても、まったく同様の効果が確認されています。こうして自分の強みを積極的に使っていくというのは、自らの得意なことや自信のあることを行う機会を増やすことに他なりません。強みを生かす際には、苦手なことに取り組む場合と比べ、うまくいく可能性が必然的に高まります。そして成功体験が得られるほど、自らの存在を肯定的に考えられるようになっていくため、沈んだ気分になることが減り、最終的には幸福度が上がるようです。

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2017年

5月

11日

病は気から

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。「病は気から」といいますが、実際、精神と身体には分かちがたい結びつきがあります。心の持ちようは寿命にも大きく影響し、物事を前向きにとらえて人生を楽しんで生きている人の方が、そうでない人よりも病気になりにくいものです。これは何も、抽象論ではありません。科学的にも示されている事実です。2009年アメリカ心臓協会の学会誌「サーキュレイション」に発表された日本の疫学調査チーム(JPHCスタディ)の調査を基にした研究で、「人生を楽しんでいる意識」と脳卒中や狭心症、心筋梗塞といった心臓病との関連性について調べたものがあります。40歳から69歳までの男女に「人生を楽しんでいる意識」のレベルを低、中、高から選んでもらい、それぞれの人の病気の発生率や死亡率の追跡調査を行いました。そして明らかになったのは、「人生を楽しんでいる意識」の高い男性は、そうでない男性に比べると、脳卒中や心臓病による死亡リスクがおよそ半分だという事実でした。報告のなかでこの研究チームは、人生を前向きに生きている人は、ストレスに強かったり、上手にストレス解消ができているためではないかと結論づけています。また、「人生を楽しんでいる」男性は、他のグループに比べると日ごろから運動を習慣的に行っているということもわかりました。適度な運動が健康に役立っているともいえるでしょう。ちなみに女性の場合は「人生を楽しんでいる」人とそうでない人との間に有意な差は認められなかったそうです。理由はわかりませんが、男性と女性とでは、ストレスの感じ方が異なっていることが一因ではないかとみられています。

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2017年

5月

08日

自分が健康だと思っている人は長生き

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。あなたは、健康でしょうか。そして健康であることに、自信があるでしょうか。もし、自分が健康であるとはっきり言えるようであれば、それだけで長生きできる可能性が高くなります。「健康かどうかなど主観でしかなく、そう思い込んでいるだけかもしれない」という反論もあるでしょう。健康の度合いというのは確かに自らの感覚次第なのですが、実際に自らを健康であると信じている人ほど、死亡率が低いという研究結果があるのです。東京都健康長寿医療センター研究所では、長年にわたって数千人規模の高齢者の追跡調査を行い、その結果をもとに健康長寿の秘訣を「長生きの10ヵ条」としてまとめています。10ヵ条として揚げられているのは、たとえばコレステロール値などの血液中の値や、禁煙やほどほどのお酒といった生活習慣などの項目ですが、そのなかに「自分は健康であると思っていること」という項目があげられています。これは、自分の健康度を「非常に健康」「まあ健康」「あまり健康でない」「健康でない」の4つのうち、どう感じているかという「主観的健康度」です。4つの選択肢から選んでもらい、回答ごとの死亡リスクを調べたところ、「非常に健康」と答えた人に比べ、「あまり健康でない」「健康でない」というネガティブな回答をした人は、死亡リスクが2倍以上高くなっていることがわかったのです。その理由として考えられるのは、健康の不安を抱えていること自体が、自らの体に悪影響を与えるのではないか、ということです。「病は気から」ということわざの通り、心の持ちようで体の健康も左右されます。例えばアメリカでは近年、「テロリズムへの不安」により、心臓病が増えているといいます。不安が心臓病の原因となり得るという科学的データも存在しています。健康に対する不安を抱え続けた結果、健康を損なってしまうというのでは本末転倒です。

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2017年

5月

07日

歩行速度が遅くなったら注意

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。自らの歩く速さを意識したことはあるでしょうか。普段、何気なく歩いている人がほとんどだと思いますが、歳をとっていく中で、自分の歩くスピードが落ちていることに気が付いたら、要注意です。実は歩く速さに今後の寿命が反映されるといった調査結果があるのです。アメリカの医師会が発行する医師会雑誌「ジャーナル・オブ・アメリカン・メディカル・アソシエーション」に発表された研究で、歩行スピードと余命の関係について興味深い分析がなされています。65歳以上の3万4000人の男女を対象にした9つの調査をまとめて解析した結果、歩行スピードは余命と密接なつながりがあり、各年齢においての歩行スピードと残りの寿命がきれいな比例曲線で表せることが判明しました。例えば、男性では65歳の時点で1.1メートル/秒(1キロメートルを15分ペース)のスピードで歩けるなら、あと約20年は生きられる可能性が高くなります。女性の場合、同様の条件では約27.5年も長生きできる可能性があることが示唆されています。なぜこのような予測が立つのかといえば、歩行スピードというのは、将来の介護依存の可能性をもっとも感度よく反映する指標だからです。介護が必要になるほど死亡リスクも高まるため、歩行スピードが寿命と関連してくることになります。65歳以上の日本人男女940人を対象とした調査では、最大歩行スピード、普通歩行スピード、片脚立ち、握力という筋力を要する4つの測定項目を設け、結果が良かった順に人々を4つのグループに分けました。そして、もっとも優れていたグループ1が向こう6年間に介護依存になるリスクを基準として、他のグループのリスクを算出したところ、いずれの項目も近い将来の介護依存度と関連を示しましたが、とくに歩行スピードの結果の精度が高くなりました。ちなみに、調査項目の「握力」に関しては、握力が強い人ほど病気や外傷による死亡率が低いという研究があります。世界17ヵ国の成人約14万人を対象に、平均4年間の追跡調査を行ったところ、握力が強いほど、心筋梗塞や脳卒中、ガン、転倒、骨折などによる死亡率が下がることがわかっています。

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2017年

5月

06日

運動のやりすぎは害になる

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。健康の維持に体を動かすことが欠かせないのは、みなさんも十分理解していると思います。ただ、運動というと「辛そう」「きつそう」という印象があり、大切だとはわかっていてもついつい敬遠しがちという人が多いのではないかと思います。しかしはたして、人は本当に、辛い運動をずっと続けていかなければ、健康を維持することはできないのでしょうか?確かに、健康に対する意識が高く、頻繁にジムに通ったり、毎日のように長時間のジョギングを行ったりする人もいます。そういう人は見た目にもスマートで颯爽としているものですが、実はだからといって、そういう人がもっとも長生きできるかというと、そうとは言い切れないのです。もちろん運動すること自体は、やらないよりもはるかにいいのですが、死亡リスクとの関連からいうと、ハードな運動を頑張って続けるよりも、適度な運動にとどめておいたほうが効果的であるということが科学的に示されています。アメリカの4000人以上の男性(平均年齢63歳)を対象に、日頃行っている運動の程度と死亡リスクとの関係を4年間、観察した調査研究があります。それによると、たまに運動する、または軽い運動をする程度の人は、まったく運動しない人よりも明らかに死亡リスクが低下するといいます。つまり少なくとも何らかの運動をしている人のほうが、長生きできることが証明されているわけです。ところが一方、運動の程度を比べた調査では、辛いと感じるような激しい運動をしている人は、辛くない程度の軽い運動を習慣にしている人よりも死亡リスクが高くなる可能性があることがわかったのです。ちなみに同様の結果が、これとは別に行われた計66万人以上の男女を対象とした研究でも認められていますから、信頼性は高いといえます。またデンマークでは、疫学調査チーム「コペンハーゲン・シティ・ハート・スタディ」によって、大規模な調査・分析が行われ、ジョギングの習慣と死亡リスクの関係についての研究が発表されました。この研究によると1万7000人以上の老若男女を対象に、最大35年もの追跡調査を行ったところ、ジョギングをすると寿命が男性で6.2年、女性で5.6年も延びる推計されました。ただしこれには条件があります。それほど根をつめずに、「ほどほどの時間・あまり速いペースでなく・週に数回程度行っている人」のほうが、「より多くの時間・速いペースで・週に4回以上行っている人」よりも死亡リスクが低いというのです。ここでも、運動のやりすぎによる負の効果が指摘されたというわけです。

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2017年

5月

01日

幸福は伝染する

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。あなたのの周りの友人は、どんな人が多いでしょうか。お金持ちの友人がいれば、自分もそのおこぼれにあずかっていい思いができそうですし、「人の不幸は蜜の味」というように、誰かが不幸になったのを見て、ひそかに優越感を感じるなどという人もいるでしょう。しかし、残念ながら、そのような感覚で人と付き合っていては、幸福は遠のくばかりです。実は人間の幸福度は、周囲の人間関係によって大きく左右されるということを明らかにした、興味深い研究があります。米国ハーバード大学医学部・教養学部教授のクリスタキス氏とカリフォルニア大学政治学科教授のファウラー氏は、1983年から2003年までの20年間、4739人におよぶ人間関係のネットワークと幸福度について調査しました。その結果わかったことは、次のようなことだといいます。

①幸福な人が周りに多くいる人は、将来、幸福になる可能性が高い。

②幸福な人間ネットワークは、もともと幸福な人が集まって形成されるのではなく、幸福な誰かが幸せを周囲に伝播することによって広がっていくものである。

③友だち、友だちの友だち、あるいは、友だちの友だちの友だちが幸せだと、本人も幸せになる傾向がある。(それ以上離れた人の幸福度は、本人に影響を与えない)

④こうした幸福の伝播の度合いは、幸福な知り合いとの地理的な距離が遠いほど、また、幸福な知り合いに遭遇した後の時間が経つほど薄れる。

これらの結果を見ていて、何か気が付くことはないでしょうか。試しにちょっと、「幸福」あるいは「幸福な人」の部分を「感染症」あるいは「感染症にかかった人」と置き換えて読んでみてください。なんだか意味が通じませんか。つまり、このことからわかるのは、「幸せ」というものは、まるでウィルスのように人から人へとうつっていくものだということです。なかでも面白いのが③です。幸せな友だちがいると、幸せはそこにとどまらず、「友だちの友だち」さらに「友だちの友だちの友だち」にまで「うつって」いくという事実です。3段階先の友だちにまで影響が伝播していくので「three degrees of influence rule」つまり影響力の3段階の法則と称されています。この研究によると「幸せ」だけでなく「肥満」や「喫煙」「飲酒」などさまざまな生活習慣についても、同じように人から人へ影響が伝播していくとされています。たとえば、誰かが肥満になると、その友だちが肥満になる確率は57%上昇し、友だちの友だちは20%、さらにその友だちは10%太りやすくなるといいます。同様に誰かがたばこを吸い始めると、その友だちの喫煙する確率は36%上昇し、友だちの友だちの友だちが喫煙する確率は11%上昇するというのです。

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