2017年4月ブログ

2017年

4月

30日

自然に接すると幸福になる

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。都心で仕事をしていると、多くの時間を「コンクリート・ジャングル」の中で過ごすことになります。大都市では自然豊かな空間というのは非常に限られ、人工的な建造物に囲まれて生活するのが当たり前です。こうした環境は、現代社会では特に珍しいことではありませんが、地球規模で考えてみれば極めて不自然な状態であるといえます。それを象徴するのが、この調査です。自然と幸福度との関連性を調べた30もの研究をまとめて解析し、合計8500人について調査した研究では、自然に接している人ほどバイタリティがあって、人生の満足度も高い傾向が認められました。なかでも直接自然のなかに自らの身を置くことが、幸福度を高める効果がもっとも強いこともわかりました。人間も生物であり、自然の一部ですから、本能的に自然とつながろうとする欲求があるのでしょう。自然に囲まれた環境において、人は開放的になるだけでなく、本能的欲求が満たされ、それが幸福度の上昇につながっているということが調査結果から示唆されています。また、こうした効果は健康に問題がある人ほど高まるという調査報告もあり、自然の持つ「癒し効果」が裏付けされたかたちとなっています。自然に囲まれて過ごすひとときはたんなる「余暇」ではなく、人生を幸福に過ごすために欠かせない大切な時間なのだと認識して、さっそく次の休みにでも、自然のなかに出かけてみてはどうでしょうか。「そうはいっても忙しくて出かけられない」「疲れているから動きたくない」…。日頃仕事で疲れ果てている方からは、そんな声も聞こえてきそうですね。それならせめて、身の回りに自然を感じるものを置いてみるというのはいかがでしょうか。そうすれば時間もお金も体力も使わずに、手軽に自然に触れることができます。事実、部屋や仕事場の一角に花や観葉植物を飾るだけで、人間は幸福度を上げることができるという報告もあるほどです。部屋に花を飾っただけで幸せになるなどというと「たんなる思い込みにすぎないのではないか」などと反論されそうですが、千葉大学環境健康フィールド化学センターの調査では、花や観葉植物を日常生活に取り入れることによって、公園や森で自然体験をするのと同じようなリラックス効果が得られることが確かめられています。人は緊張したりストレスを感じると交感神経が高まってイライラが募りますが、部屋の中で花や観葉植物を飾っているだけで、香りや視覚効果により脳前頭前野の活動が沈静化されて副交感神経の活動が高まり、心身ともにリラックスすることができるというのです。

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2017年

4月

28日

体を動かすほど幸福を感じる

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。仕事が忙しい時期ほど、たまの休みにはゴロゴロして過ごす人は多いのではないでしょうか。気のすむまで布団から出ず、起きた後も本を読んだり、DVDを見たりしながらのんびり休日を楽しむ…。一見すると、くつろいで気持ちがリラックスしそうですが、実は長い目で見ると、精神的にプラスとはいえないようです。カナダ公衆衛生庁の研究者らは、カナダ国民を対象に身体活動と幸福との関係についての調査を行い、2012年に結果を発表しました。それによると、初期の調査で「余暇にはあまり体を動かしていない」と答えた人たちは、その2年後のフォロー調査の段階で「自分は不幸である」と感じるようになっている割合が多くなったといいます。比較的体をよく動かしている人に比べ約1.5倍の人が、幸福度が落ちていると感じていたのです。ちなみに、初期の調査で体をあまり動かしていないと答えた人のうち、2年後の調査の時点では体をよく動かすようになっていた人の場合、幸福度の低下は約3分の1に抑えられることもわかっています。この調査から見えてくるのは、「体をよく動かす人ほど、幸福度が高い傾向がある」ということです。もう1つ、視点を変えた実験を紹介します。日立製作所中央研究所の研究チームは、人の体にセンサーを装着し、そこから得られる膨大なデータを分析してきました。ある時彼らは、身体の揺れと向きを検出する加速度センサーを装着させた実験参加者を2つのグループに分けました。そして、Aグループにはその週に経験した3つのことを条件を付けずに書き記してもらい、Bグループにはその週に経験した3つの「よかったこと」を記してもらいました。それを5週にわたって繰り返しつつ、並行して質問紙による幸福度調査も行いました。その結果、「よかったこと」を書き記したBグループのほうが明らかに幸福度が高まったことがわかりました。そして、センサーを分析した結果、「幸福度が高まるほどよく動くようになる」という事実も明らかになったのです。これらの結果からいえるのは、身体活動と幸福度が相互に作用しているということです。幸福度が高いと体をよく動かすようになり、そのままアクティブに過ごすことで幸福度が高いまま維持されていきます。体を動かすことがストレス解消になることは知られていますが、それだけではなく、幸福もまた引き寄せてくれるのです。休みの日こそ、体を動かして幸せになるチャンスととらえ、積極的に行動してみてはどうでしょう。

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2017年

4月

27日

喫煙の悪影響

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。健康というテーマを語る際どうしても避けて通れないのが、たばこについてです。日本たばこ産業の「2016年全国たばこ喫煙者率調査」によれば、日本の喫煙者率は19.3%で、男性の29.7%、女性の9.7%が喫煙者です。喫煙率は毎年減少傾向にあり、とくに2016年は男性の喫煙者が初めて3割を下回ったことが注目されましたが、それでも諸外国から見れば、この喫煙率はいまだ高い状況にあります。例えば、別に行われたWHOの統計では、2015年の日本人男性の喫煙率は34%でしたが、アメリカやイギリス、カナダ、オーストラリアなどでは、軒並み20%未満です。先進諸国では比較的喫煙率が高いとされるフランスやドイツでも日本より低く、先進7ヵ国の中では、日本人男性の喫煙率がもっとも高くなっているのです。たばこがどのような悪影響をもたらすのか、ほんの一部ですが紹介したいと思います。

「病気の誘発」

○心臓病、高血圧、動脈硬化などの血管系疾患や、慢性気管支炎、肺気腫などの呼吸器疾患、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化器疾患の原因となる。

○あらゆるガンのリスクを高める。国立がん研究センターによれば咽・喉頭がんの60~90%、肺がんの72%、食道がんの48%、膀胱がんの31%、肝臓がんの28%、胃がんの25%が、喫煙習慣が原因で起こるとされる。他にも、大腸がんや子宮がんとの関連を示す有力な証拠もあがっている。

○メタボリック症候群になるリスクを高める。1日1~2箱の喫煙により、非喫煙者の3倍も肥満になりやすくなる。

「老化の促進」

○発生する活性酸素により、全身の臓器や組織が傷つき老化が進行する。しわやしみが増え、見た目年齢も実年齢より上昇する。

○骨密度を低下させ、高齢者の骨折のリスクを高める。

このように、たばこにはまさに健康に対するあらゆる災厄が詰まっており、その1箱は本来開けるべきではない「パンドラの箱」と言えるでしょう。

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2017年

4月

25日

寝ないと太る

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。「食べてすぐ寝ると牛になる」ということわざは、広く知られていると思います。もともとは行儀の悪さを戒める意味が強かったようですが、現代では「牛になる=太る」ととらえられることも多いようです。確かにたくさん食べてすぐ寝てばかりいては太ってしまいますが、ことダイエットに関しては、むしろ「寝ないほうが太る」という結果が出ています。アメリカ内科学会が発行する医学雑誌「アナルズ・オブ・インターナショナル・メディシン」に、ダイエットと睡眠時間に関して興味深い研究結果が報告されています。研究では、男性7名、女性3名の肥満者に、14日間のダイエットを2回実施しました。ダイエット方法は、食事のカロリーをマイルドに制限する方法で、それぞれがじっとしているときに自然に代謝されるカロリーのうち90%のカロリー量を計算し、摂取するようにしました。最低限必要なカロリー量よりもさらに低いカロリーしか摂取しないので、必ず痩せるというわけです。最初のダイエットは、全員の睡眠時間を5.5時間にしたうえで行われました。そしてそこから3ヶ月以上の間を置き、体重が元に戻ってから、今度は睡眠時間を8.5時間にして、同様のダイエットをしました。その結果、同じ人間が同じダイエットをしても、睡眠時間が短いときのほうが脂肪が減りにくいことがわかったのです。この研究では、一人ひとりの脂肪燃焼状況について調べるために、ダイエット期間の終わりに「呼吸商」という数値を算出しています。「呼吸商」とは、一言でいうと体内で燃焼する糖質と脂質の割合を示す数値です。この数値が大きいほど糖質の燃焼比率が高く、小さいほど脂質の燃焼比率が高くなります。つまり同じエネルギーを代謝していても、呼吸商が小さい人ほど効率よく体脂肪を燃焼させることができるので、太りにくいといえるのです。ダイエット期間の終わりに測定された呼吸商を比較すると、5.5時間睡眠時でダイエットしたときのほうが、8.5時間睡眠時でダイエットしたときよりも呼吸商が高くなっているという結果が出ました。つまり、睡眠時間が短いと糖質の燃焼比率が高まって、脂肪の燃焼比率が減少してしまうというわけです。この研究から結論付けられたのは、睡眠時間が短いと脂肪が燃焼しにくい体になるという事実です。その具体的なメカニズムについてはまだ解明されておりませんが、少なくとも、睡眠時間が人の代謝機能に大きな作用を及ぼすということだけは確かだといえそうです。

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2017年

4月

24日

座っている時間が長いと死亡リスクが高くなる

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。ある調査によると、40歳から64歳までの日本人は、1日のうち8~9時間程度座って過ごしているのだそうです。1日8~9時間という日本人の座位時間は世界20ヵ国で比較してみると、もっとも長い時間だそうです。しかも最近の研究では、長時間座って過ごすことは、さまざまな疾患を引き起こすリスクがあるということがわかってきています。そのリスクとは、一説には喫煙にも匹敵するほどの高いものだといわれています。オーストラリアのシドニー大学で、国内の45歳以上の男女22万人を3年近くにわたって追跡した調査が行われました。そこで、調査期間中に亡くなった人たちの生活スタイルを調べたところ、座る時間が大きく影響していることが明らかになりました。具体的には、座っている時間が1日4時間未満の人たちと比べ、11時間以上だった人たちは死亡するリスクが40%も高まっていたのです。また、アメリカで行われた、成人12万3216人を対象にした調査では、1日6時間を座って過ごす人は、座る時間が3時間未満の人に比べて死亡リスクが男性で17%、女性で37%高いという結果が出ています。さらに、長時間を座って過ごし、かつ運動をしない人の場合は、男性で48%、女性では94%という高い死亡リスクが示されています。その他にも、じっとしている時間が長いほど、糖尿病、心血管疾患やガンの罹患リスクが高まるという報告もあります。長時間座っていることがなぜ健康に悪影響を及ぼすのか、はっきりとしたメカニズムはまだ解明されていません。まず考えられるのは、体を動かさないことによる体重増加や肥満です。運動不足からメタボリック症候群になり、それが3大成人病を引き起こす、という負の連鎖が寿命を短くしているのかもしれません。もちろんそれは因子のひとつになるかもしれませんが、実はそう単純ではないようです。肥満だけが要因ならば、定期的に運動をすればいいのでしょうが、週にある程度の運動をしている人にも、長時間の座位による死亡リスクは、やはり高い傾向が見られるからです。ある研究者は「本来歩き回る生活をしていた人間が、足などの筋肉を動かさないことでさまざまなホルモンの分泌が変化し、それが悪影響となっている」と説明しています。

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2017年

4月

23日

「生涯現役」元気なうちは仕事を続ける

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院  岩田です。仕事を早めにリタイアして、残りの人生を自分の好きなことをしながらゆったり過ごすというのは、誰しも一度はあこがれることではないでしょうか。仕事に追われているときなどは「明日にでも引退して、暖かい南の島にでも行って毎日のんびり過ごせたらどんなにいいだろう」などと夢想してしまうこともあるのではないでしょうか。しかしそのような夢を実現すると、結果的に寿命が短くなるかもしれないとしたら、どうでしょう。一般的には、早期退職してゆったり余生を送ったほうが寿命が延びると考えられがちですが、研究により示された真実はその真逆にありました。米国の疫学専門誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー」によると、ギリシャで行われた研究で、仕事をせずに余生を暮らすよりも、より長く仕事を続けたほうが長生きできるという調査結果が出ています。研究は、1万6827人のギリシャ人男女を対象に行われました。1994年から1999年の時点で、退職しているか仕事をしているかを尋ねた上、その後平均7.7年間の追跡調査を実施し、生死や死因を確認したといいます。すると、調査開始の段階ですでに退職していたリタイア組は、仕事を続けていた現役組と比べ、死亡リスクが51%も高くなりました。また、リタイアが5年延びれば、死亡リスクが10%減ることもわかっています。アメリカの石油会社大手であるシェルの社員を調査した別の論文でも、同様の結果が得られています。既に退職している元従業員3500人以上を対象に調査を行ったところ、55歳で早期退職した集団は、65歳で定年退職した集団よりも死亡率が1.37倍高くなるという結果が得られました。ただしこれらの研究は、早期退職が直接的な原因となって健康が悪化したというところまでは明らかにしてはいません。リタイア組の中には、健康状態が悪化して早期退職を余儀なくされた人々もおり、研究では調査開始時点で明らかに大病を患っていた人を除外して分析してはいますが、それでもやはり元から健康状態がよくなかった人も統計に含まれている可能性が排除できないからです。とはいえ、仕事を長く続けるほど長生きできるという傾向があることは明白ですから、それだけでも十分注目に値します。

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2017年

4月

22日

見た目が若いと寿命も長い

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。同じ年齢であっても、若々しく見える人と、老けて見える人がいます。中高年になってくると、多くの人は若く見られるほうが喜ばしく感じるようになるものですが、実はそれはたんに容姿の話だけにとどまりません。この先の人生にとっても、大いに喜ばしいことであるといえます。なぜなら、見た目が若い人のほうが、将来もより長生きすることが多いからです。「20歳の顔は自然の贈り物。50歳の顔はあなたの功績」とは、世界的ファッションデザイナー、ココ・シャネルの言葉です。彼女の優れた審美眼は、人の生活や健康状態が容姿に反映されていくことまでも的確に見抜いています。「見た目など、遺伝的に決まっているものではないか」と思う人もいるかもしれませんが、そうではありません。ココ・シャネルのいうように、歳を経るほどに自らの生活態度が見た目に現れることは、統計学的に示されています。2009年、英国の医学誌「BMJ」に発表された、見た目年齢に関する研究があります。その調査では、70歳以上の一卵性双生児913組の顔写真を用意し、それを41人の第三者に見せて「見た目年齢」を判定してもらいました。そしてその後、双子の生存期間を追跡調査していった結果、遺伝子がまったく同じはずなのに、若く判定された人の方が明らかに長生きだったのです。見た目が老けているということはすなわち、老化が進んでいるということに他なりません。同じ年齢、同じ遺伝子であるなら、老化が早いほうが先に亡くなってしまうのは道理です。では、そもそも老化とは、どのように進行するものなのでしょうか。抗加齢医学の世界では、老化には「自然な老化」と「病的な老化」の2つがあり、それらが一緒になって人が老けていくと考えます。生理的老化というのは、日々の生命の営みにより進行するものであり、それを防ぐことは叶いません。しかし病的な老化に関していえば、すべての人に平等に訪れるものではなく、人によってその程度が違います。そしてこの病的な老化こそが、見た目の若さを大きく左右する要因になっているといえます。病的な老化は健康に悪い生活習慣を積み重ねるほど進行が早まります。例えば喫煙は、活性酸素をはじめとした体に悪影響を及ぼす物質を大量に発生させますが、それが習慣化するとダメージが蓄積し、寿命に影響が出るだけでなく、病的な老化のスピードも早め、見た目が明らかに老けてしまいます。

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2017年

4月

21日

鉄分の摂り過ぎはガンになる?

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。鉄分は、摂取することで「骨が丈夫になる」「貧血を予防する」などといわれ、健康に必要な栄養素として認知されています。サプリメントにもなっており、主に女性に人気です。しかし、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」とはよくいったもので、鉄分を摂り過ぎると、ガンになるリスクが高まるという研究があります。米国の複数の研究機関は、体内の過剰な鉄とガンの発生との関係を共同で調査しました。その手法は、調査対象者の約半数にあたる636名に対し、定期的に採血を行って体内の鉄の量を適度に減らすというものです。残りの641名には、採血を行わず経過を観察しました。ちなみになぜ採血で鉄分をコントロールしたのかと言えば、体内の鉄分の約70%は、赤血球の核として体中に酸素を運ぶ働きをしており、血液にたくさん含まれているからです。平均4.5年にも及ぶ調査により明らかになったのは、採血で鉄分を調整したグループは、肺ガンや大腸ガンといった内蔵ガンの発生率が35%も低下するということでした。ガンによる死亡率も、5分の2の数値となりました。このような結果が出た理由は、採血により過剰な鉄分が除去されたことで活性酸素が減り、それによる臓器障害が抑えられたためと考えられています。なお、この研究は末梢血管の狭窄などを有する末梢血管疾患患者のうち、病状の安定している人を対象として行われたため、厳密には健常者を対象とする追試が必要ですが、少なくとも鉄分過剰とガンとの間には深い関連性があることは間違いないでしょう。その他、血管が劣化して切れやすくなる、肝硬変や糖尿病のリスクが高まる、といった報告もありますから、相応の注意が必要であるといえます。健康のために毎日サプリメントを飲んでいたのに、それが実はガンなどの大病を患うリスクを上げている行為であったとしたら、そのショックは大きいと思います。医薬部外品のサプリメントであっても、鉄分に関してはやはり自分の体の状態に合わせて摂取量を調整すべきです。

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2017年

4月

20日

辛いものは体に悪い?

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。ピリピリッと舌に刺激が走るような辛い食べ物は、好き嫌いが分かれるところです。好きな人はその刺激がクセになり、毎日でも食べたいと考えるものですが、一般的に「辛いものの摂り過ぎは体に悪い」というイメージがあるかと思います。しかし、それを覆す研究結果が出ています。中国で環境と生活習慣病などの疫学調査を大規模に行う「チャイナ・カードリエ・バイオバンク」で、北京大学などの中国の研究者と、米国のハーバード大学や英国のオックスフォード大学の研究者が共同で行った、辛い食事の頻度と死亡リスクに関する研究です。彼らは約48万人の中国人男女の食事に関して、平均7.2年におよび追跡調査し、蓄積したデータを分析しました。それによると、週に1~2回辛い食事を摂る習慣のある人は、週に1回未満の人に比べて、死亡リスクが10%低下したといいます。さらに、週に3回以上辛い食事を摂る習慣のある人では14%も低下し、コンスタントに辛い食事をしているほうが長生きする可能性があるという結果が出たのです。具体的な死因でいえば、ガン、心筋梗塞などの虚血性心疾患、呼吸器疾患による死亡が有意に低下することがわかりました。これまでにも「辛い食品が健康に良い」という風説はありましたが、今回発表された研究結果は、そのことを科学的に強く肯定するものであるといえます。それでは、辛い食品はどのようにして健康に良い効果を生じるのでしょうか。この研究の対象となったのは唐辛子の辛味で、カプサイシンというファイトケミカルです。カプサイシンを摂取すると中枢神経が刺激されてアドレナリンが分泌されるため、発汗や脂肪・エネルギーの代謝が促されます。このため最近では脂肪燃焼によるダイエット効果があるとして、サプリメントとしても販売されるようになりました。もっとも、カプサイシンだけで脂肪が燃焼して肥満解消されるわけではなく、あくまで運動との相乗効果が見込める程度のものですから、過度な期待はできません。効果として確認されているのは、血行がよくなって体が温まったり、内蔵の機能が活発になって、免疫力の向上につながることです。また、食欲増進の効果もありますから、夏、食欲のないときなどに効果的に取り入れると、夏バテ解消にもなります。その他にも、抗酸化作用や抗炎症作用、抗ガン作用、降圧作用、腸内細菌叢の調整作用などさまざまな効果が、っこれまでの小規模な調査で数多く報告されてきていますが、今回の大規模な研究で明らかになった死亡リスク低減作用は、これらのさまざまな効果の総合的な作用によるものと考えられます。

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2017年

4月

18日

「1日1個のリンゴで医者いらず」は本当か

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。イギリスのウェールズ地方などに古くから伝わることわざで、「1日1個のリンゴで医者いらず」というものがあります。このことわざは、果たして真実なのでしょうか。それをオックスフォード大学の研究者がまじめに検証したユニークな研究報告が、世界的にも権威ある英国の医学雑誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」に掲載されました。調査は、イギリスの50歳以上の人々を対象に行われました。研究チームは、リンゴにコレステロールを下げる効能があることに着目しました。コレステロールを下げる薬であるスタチン系薬剤を飲んでいない人が新たに飲み始めた場合と、1日1個のリンゴを食べた場合とを仮定し、心臓発作など血管の病気による死者数がどれほど減るかをシミュレーションしました。ここでリンゴの方が効果が高かったら、まさに「医者いらず」なのですが、実際の調査結果では、スタチン系薬剤を飲んだ場合の年間の死亡数の減少は9400例であったのに対し、リンゴでは8500例の減少にとどまりました。しかし、薬には必ず副作用のリスクがあることを考えれば、リンゴの効果は極めて優秀と言えるのではないでしょうか。研究者は「現在、スタチン系薬剤を処方されている人はリンゴに置き換えるべきではない」と慎重な姿勢を示した上で、「リンゴは現代的な薬と同等の効果を持ち、副作用も少なさそうだ」と結論付け、ことわざを肯定しています。また、アメリカでも同じような分析が行われました。ミシガン大学看護学部の研究チームは、2007年から2008年と、2009年から2010年にかけて行われた「国民健康栄養調査」をもとに、アメリカの成人約8300人分のデータを分析しました。そのうち、リンゴを1日1個食べている人は全体の約9%存在していました。そこで、リンゴを毎日食べているのはどのような人たちなのか調べたところ、それまでに受けた教育のレベルが比較的高く、さらに喫煙をする人が少ないという傾向が認められたといいます。そして、リンゴを食べている人と食べていない人を健康面で比べたところ、食べている人のほうが薬の処方を受けているのが少ない傾向が認められました。なお、2つのグループ間の経済状態や健康状態などの差を調査して検討した結果では、医者を受診すること自体に関しては統計学的な差異は認められませんでした。研究チームは「1日1個のリンゴで医者いらずというよりも、薬いらずである」と語っています。

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2017年

4月

17日

「デュアルタスク」が脳を刺激する

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。パソコンの「頭脳」と言われるCPUに、「デュアルコア」が使われることは今や珍しくありません。要するに1個のCPUに2つの頭脳を備えることで、2つの作業を同時にこなせるようにしているわけです。これは、私たちの「頭脳」にとっても有効と言われています。ただし、ものごとを早く処理できるというより、いわば「頭の体操」になるからです。これを「デュアルタスク」といいますが、脳の複数の領域を同時に使うことで、より刺激を与えようというわけです。例えば、健康のために自宅の周辺を散歩するとします。そのとき、ただ歩くだけで飽きてしまったのなら、頭の中でまったく別のことを考えてみてはいかがでしょうか。「しりとり」とか、100から8を順番に引いていくような計算とか、心得があるなら俳句や短歌をつくってみるのもいいでしょう。あるいは目に映る街路樹に関心を払ったり、通りすぎる店の売上高をざっと推計してみたり、やろうと思えばできることは無数にあると思います。私たちは、頭を空っぽにしているときほど、ネガティブなことを思い出したり、些細なことを心配して暗くなったりしがちです。自らストレスを呼び込んでしまうわけで、あまり有効な時間の使い方とは言えません。ならば、それをシャットアウトする意味でも、あえて脳を忙しくさせたほうがいいと思いませんか。「デュアルタスク」とは、そんな試みだと思います。実は、たいていの趣味というものは自動的に「デュアルタスク」になっています。例えばフットサルのような球技は、身体を激しく動かすとともに目も耳も脳もフル稼働させなければ、たちまちチームのお荷物になってしまいます。あるいは、初めての場所へ旅行すれば、見聞きする大量の情報を同時複数的に処理しようとするはずです。料理にしても、段取りを考えて複数の作業を同時に進行するものでしょう。脳を忙しくさせるという意味でも、やはり趣味を持つことは大事だと思います。

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2017年

4月

15日

バーチャルよりリアル

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。コミュニケーションと言えば、最近はメールやSNSがすっかり定着しました。仕事上はもちろん、プライベートな会話まで、こういうバーチャルなコミュニケーションが当たり前に行われているようです。気軽にやりとりできるという意味では、たしかにたいへん便利です。特にSNSを使って意見を発信したり、自己アピールしたりしたいという気持ちもあるでしょう。そういう前向きな気持ちを持つことも大事です。しかし脳の健康を保つという意味では、やはりバーチャルではなくリアルなコミュニケーションのほうが重要です。なぜなら、そこにはやはり共感性が生まれやすいからです。面と向かって話をすると、できるだけ相手の気持ちを理解しようと一生懸命になります。言葉だけではなく、口調や表情、しぐさ、目つきなどの情報から感情を読み取ろうとするはずです。それが、脳の働きを活性化させるのです。ところが、バーチャルな世界で文字をやりとりするだけでは、そうはいきません。例えばメールの文面を見て、送り手の感情まで読み取るのは難しいと思います。実は怒っていたのに軽く返信してしまったり、意図せずに書いたことが相手を傷つけてしまったりという経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。物理的・精神的に距離がある分、相手への意識も希薄化するわけです。まして、それが日常のコミュニケーションの主流になってしまうと、共感性を磨く機会が失われます。いくらバーチャルな世界でやりとりしても、それによってコミュニケーションをとっているつもりになってはいけません。実際に人と会って話す機会も、十分に用意する必要があると思います。ただ最近、そういう機会は減りつつあるかもしれません。複数の人が集まる職場でさえ、一日中誰とも口をきかないまま過ごすことがあるようです。一人で仕事に集中したいときもあるでしょうが、そればかりでは息が詰まります。せっかく同僚が近くにいるのですから、雑談するような時間をもっと積極的につくったほうがいいと思います。あるいは職場がそれを許さないような雰囲気なら、なおさら日常のコミュニケーションが欠かせません。職場外で、そういう場を見つけるよう工夫したほうがいいでしょう。

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2017年

4月

14日

「共感性」は認知症ケアに奇跡を起こす

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。共感性が人間にとっていかに重要かは、認知症ケアの方法として注目されている「ユマニチュード」でも明らかです。これは「見る」「話す」「触れる」「立つ」という4つのコミュニケーションを基本とするもので、ポイントは患者さんの目線に立ち、対等に接することにあります。認知症と言えば、記憶が極端に落ちたり、自分の居場所もわからなかったり、家の中や外を徘徊したりといった症状が知られています。しかし、いずれも表面的な現象であり、内面では気持ちや記憶が以前のまま残っているのです。そこでケアする側としては、「話しかけてもムダ」などと思わず、以前と同じように話しかけたり、触れ合ったり、好きな音楽を聴かせてあげたりすればいいわけです。けっして「世話をしてあげている」「生活を支配している」という印象にならないよう、常に目線を同じ高さにして「見る」。ケアも黙って行うのではなく、「身体を拭きますよ」などと実況するように「話す」。身体も手でつかむのではなく、支えるように「触れる」。そして筋力を維持できるよう、なるべく「立つ」ことを基本にします。こういう接し方によって、人としての尊厳を取り戻し、症状の進行を抑えようというのが「ユマニチュード」の考え方です。短時間で生きる意欲を取り戻したり、積極的にコミュニケーションを図るようになったり等々、劇的に変化したケースもあるようです。これも一種の「共感の受容」でしょう。人とわかり合えることで、脳は活発に働きはじめるわけです。もちろん認知症とは関係なく、どんな人でも当てはまる話です。

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2017年

4月

13日

夫婦ゲンカの原因は脳の違い

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。脳は基本的に同情や共感を求めるものですが、ここにはちょっとした性差があります。個人差はありますが、概して女性のほうが言語能力が高くて共感への欲求が強く、男性は空間認知能力が高くて論理的に考えるものなのです。実際、脳のつくりも違います。女性は共感性や言語に関わる脳の領域が大きいのに対し、男性は空間認知を担ういくつかの領域が大きいのです。真偽のほどは定かではありませんが、この性差は原始時代の生活の名残りであるという説もあります。男性は狩猟に出かけるから、空間や獲物の動きを論理的に考えるようになり、女性はムラを守って皆と仲良くする必要があるから、言語能力が発達した、というわけです。いずれにせよ、こういう男女の違いに納得される方はすくなくないでしょう。如実になるのは、夫婦ゲンカのときです。奥さんはとにかく話を聞いてもらいたい。1日の出来事とか、職場の話、子どもの話、ご近所の話、ネタは尽きません。それもできるだけ具体的に、委細漏らさず話したいと思うものです。これは別に、すばらしい解決策をもとめているのではなく、自身がどんな苦労や思いをしているのか、とにかく共感してもらいたいのです。一方、旦那さんは「それなら、こうすればいいじゃないか」と早々に結論を出そうとします。ダラダラ続く話を聞くのは合理的ではないと感じ、さっさと切り上げてしまいたいわけです。この意識の違いがケンカの元になることは、少なからずあるものです。男女の違いの壁は、簡単には崩れません。しかし少なくとも、女性であれ男性であれ、脳のストレス軽減に共感性が必要なことは間違いありません。特に男性については、お互いに「傾聴と同意」の姿勢を見せることが、夫婦円満の秘訣でしょう。

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2017年

4月

11日

「共感性」が心を癒す

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。酒席などでグチをこぼす行為は、一般的にあまり歓迎されません。しかし、ストレス解消という意味ではけっこう有効なのです。例えば、気心の知れた友人に「会社の上司にこんなことを言われた」「がんばっているのに評価してもらえない」などと話したとします。聞かされる側はともかく、話す側は感情を吐き出したため、多少はすっきりします。四六時中ではさすがに嫌われるでしょうが、「お互いにグチを言い合えるような関係」をつくっておくことも悪くありません。そもそもなぜ、私たちはグチをこぼしたくなるのでしょうか。それは、人に共感してもらいたいからでしょう。話を聞いてもらい、同情を得られれば、怒りや悲しみも多少は収まります。もちろんお酒の席でなくてもかまわないので、できるだけそういう機会や相手を見つけたほうがいいと思います。一人だけで抱え込む必要はないのです。しかし世の中には、「誰に対してもグチ1つこぼさない」「仕事の話を家庭に持ち込まない」という方も多いと思います。弱音を吐くことは恥ずかしいとかみっともないとか、相手に迷惑というイメージがあるためでしょう。これはある意味で、すばらしい美徳だと思います。たしかにコミュニケーションには、「感情伝播」という作用があります。人間は共感性の生き物なので、相手が楽しそうにしていれば自分も楽しくなるし、逆に相手がイライラしていれば自分もイライラしてきます。こういう経験は誰にでもあるでしょう。だからネガティブな話を打ち明けないというのは、相手や周囲を気遣うということでもあります。とはいえ、溜め込むことによるストレスを考えれば、吐き出せるときには吐き出したほうがいいです。グチを言い合えるような関係性を築くことが大事だと思います。これはお互いに、解決策を求めているわけではありません。「それは大変だね」「言うとおりだね」と言い合えれば、それで十分ではないでしょうか。

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2017年

4月

10日

「慣れ」がストレスを減らす

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。今まで行ったことのない国や地域を訪れるとなると、誰でも少なからず緊張するでしょう。例えば空港からホテルまでどうやって行けばいいのか、ホテルから目的地までちゃんと行き着けるのか、現地の人と話が通じるのか、万が一の場合はどうすればいいのか等々、いろいろシミュレーションしながら考えてしまうものです。あれこれ考えることが旅行の楽しみでもありますが、考えすぎてしまうとストレスになってしまいます。これを「予期不安」といい、平たく言えば取り越し苦労です。滅多に起こらないことを想定して悩んだり、不安に思ったりするだけでは、心の負担になることが多いのです。とはいうものの、悩まずにはいられないのが人間です。たまに遠くに出かけるとなると、それが大きなストレスになる方もいるでしょう。しかし、出かける回数が多くなると初めての国や地域へ行くにしても、「だいたいこんなものだろう」と想定できるようになります。要するに「慣れ」の問題です。旅行にかぎった話ではありません。「経験が人をつくる」と言いますが、「経験はストレスを減らす」とも言えると思います。例えば会社の経営者は、しばしば重大な経営判断を迫られます。しかし、「優秀」と呼ばれる方ほど、さして悩むことなく短時間で判断を下しているように見えます。それはまさに経験による「慣れ」であり、ふだんからシミュレーションを繰り返してきた賜物でしょう。どう動けばどういう結果になるか、瞬間的に見当がつくのだと思います。シミュレーションを取り越し苦労にするか、それともいつでも判断できるようにするための予行演習にするか…。はじめは前者だったとしても、経験を重ねていくうちに後者に移り、その精度も上がっていくと思います。「逃げる」ことも大事ですが、そう簡単に逃げられない仕事もあるでしょう。それならば、「そのうち慣れる」「経験値が上がれば判断も間違えない」と開き直ったほうが、いい結果につながるのではないでしょうか。

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2017年

4月

08日

悲観は気分、楽観は意志

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。脳の仕組みで言えば、感情をつかさどっているのが、深部にある扁桃体を中心とした「大脳辺縁系」と呼ばれる領域です。ここは、人間の脳の進化の過程で古くからある原始的な部分で、気分をハイにすることもありますが、「もうダメだ」というネガティブな感情も生み出します。それに対して「冷静になれ」「何か道を探してみよう」とブレーキをかけるのが、脳の前の部分(額の裏側)にある前頭葉の、さらに前のほうにある前頭前野です。その役割から、「クールシステム」とも呼ばれています。進化の過程の最後に生まれ、なおかつ個々人の脳の発達でももっとも最後にでき上がる部分です。ここは高次認知機能を受け持ち、人間を人間たらしめている部分と言えるでしょう。年齢を重ねても、扁桃体自体はあまり変化しません。しかし前頭前野は影響を受けて弱まりやすいのです。だから高齢になったり認知症になると、子ども時代に戻ったように頑固になったり、わがままになったりする方もいます。要するに「クールシステム」による抑制が効きにくくなり、感情がより前面に出てくるわけです。では、どうすれば前頭前野を鍛えられるのでしょうか。巷には、いくつかの方法も流布しているようですが、残念ながら即効性は期待できません。それよりも重要なのは、「マインドセッティング」だと思います。脳の働き方には、クセがあります。人それぞれ動作のクセがあるように、脳も人それぞれ一定の思考パターンを持っているのです。それをどういう方向に持っていくかによって、前頭前野の働き方も違ってきます。できるだけものごとをポジティブに考える習慣をつければ、いつしかそれがクセになり、思考パターンも変わっていきます。「幸福論」で知られる哲学者アランの言葉に、「悲観は気分、楽観は意志」というものがありますが、脳科学の観点からもそれは言えるわけです。

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2017年

4月

06日

「逃げる」ことも大事

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。「火中の栗を拾う」とか「虎穴に入らざれば虎子を得ず」といったことわざがあります。リスクを取らなければリターンもないということで、人を励ましたり自らを鼓舞したりするときによく使われるようです。たしかに、仕事や人間関係においては勇気を振り絞らなければならない場面もあるでしょう。しかし脳にかかるストレスを考えれば、常に勝負をかけることが得策とは言えません。人間関係ひとつとっても、嫌な思いをしたり、怒りや悲しみの感情に支配されたりすることは少なくないと思います。それを無理やり解決しようとしても、なかなかうまくはいかないものです。むしろ状況を悪化させたり、ズルズルと引きずってしまったりすることのほうが多いのではないでしょうか。そういうとき、「逃げる」ことも大事だと思います。どうしても合わない人とは距離を置く。火に油を注ぐ前にさっと身を引く…。ストレスのタネが1つ減るなら、これも立派な解決策だと思います。ただし、相手が家族や職場の上司や部下だったりすると、簡単には逃げられません。あるいは何らかの方法で逃げたとしても、その逃避先が天国とはかぎりません。そこでもまた嫌な人に出会ったり、嫌な思いをしたりすることもあるでしょう。では、どうしたらいいのでしょうか?そういうとき、打開策の1つは「客観的に見る」ということだと思います。これはどういうことかというと、例えば自分と相手が面と向かって話しているときにも、その状況を「横や上から眺める視点」を意識してみるわけです。実際にやっていただけるとわかりますが、そうすると、少し冷静に自分を見ることができます。感情的になっているとすれば、それを抑えたり、なだめたり、あるいは笑い飛ばしたりできるようになるかもしれません。意識を自分から遠ざけるという意味では「逃げる」にも通じますが、それによってストレスが軽減される可能性は十分あります。

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2017年

4月

04日

音楽を聞くだけで脳は活性化する

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。好きな音楽が流れると気分が良くなるものですが、これにはちゃんと理屈があります。研究によれば、やはり脳の「報酬系」が刺激されるらしいのです。「報酬系」はその名のとおり、欲求が満たされたとき、または満たされることが予測されるとき、活性化して「心地よい」という感覚をもたらします。給料日はもちろん、「もうすぐ給料日だ」と思うだけでテンションが上がるのは、この「報酬系」が働いているわけです。音楽にもそれと同じ効果を期待できるとすれば、聴かない手はないでしょう。あるいは「報酬系」のみならず、脳の多くの領域を活発化させることもわかっています。さらに、音楽には眠っていた記憶を引き出す力もあります。昔よく聴いた曲をたまたま聴いて、当時の情景や周囲にいた人の顔が急に思い浮かぶ、という経験は誰にでもあるでしょう。このとき、脳内では海馬などの記憶中枢が刺激を受けているわけです。曲によっては「苦い思い出」が甦るかもしれませんが、それもまた一興です。脳が健全に反応していることを喜ぶべきでしょう。実際、音楽は認知症の予防や進行抑制、あるいは記憶障害の治療の現場などでも取り入れられています。新しい曲をどんどん聴いて脳内をドーパミンで満たすもよし、懐かしい曲を次々と聴き直して昔を思い出すもよしです。あまりに身近で気づきにくいかもしれませんが、音楽そのものが私たちにとってたいへんな「報酬」と言えるでしょう。

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2017年

4月

03日

趣味で広がるコミュニケーション

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。趣味を持つことの大きなメリットは、コミュニケーションの幅が広がることです。コミュニケーションは認知症のリスクを下げる重要な要素の1つです。しかし、そこには共通の話題が必要です。単にお酒を酌み交わすだけでもいいでしょうが、おなじみの仲間内で話すだけでは、広がりがありません。その点、共通する趣味の話であれば、お互いに情報を持ち寄ることで好奇心が刺激されます。「もっと深く知りたい」「次は○○を試してみたい」などと思えるのではないでしょうか。逆に言えば、交流するためには自分もある程度の情報を仕入れておく必要があります。それが励みになって、ますますアンテナを張り巡らし、その世界にのめり込んでいくわけです。こういうことは、誰でも頭の中ではわかっているはずです。ところが、私と同世代やもっと上の世代(特に男性)の場合「無趣味」という方が少なくありません。「仕事が忙しくて、それどころではない」「今さら面倒くさい」「疲れていて遊ぶ気力がない」というのが、よく聞く理由です。しかしこれは、たいへんもったいない話だと思います。そもそも好奇心は、誰でも持っているはずです。年齢とともに衰えるというものでもありません。「何に対しても興味が持てない」のだとすれば、年齢や多忙を理由にして、そう自分で思い込んでいるだけではないでしょうか。実際、高齢でも趣味を楽しんでいる方はたくさんいます。年季が入っている分、玄人はだしの腕前だったり、目を見張るような優れたセンスを感じさせたりするものです。そういう方々と接していると、「趣味を通じて、ずっとご自身を磨いてこられたんだな」という気がします。若い世代でも、そんな生き方に憧れるのではないでしょうか。

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2017年

4月

02日

知的好奇心が脳の萎縮を止める

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。脳を若々しく保つための最高の特効薬は知的好奇心を持ち続けることです。ある研究チームが、約400人の被験者を対象に、8年間で脳がどのように変化するかを調査したことがあります。その結果、知的好奇心のレベルが高い人ほど、脳が若々しく保たれていることがわかりました。脳の側面には「側頭頭頂部」と呼ばれる場所があります。ここは海馬と同様、記憶など高次の認知機能を担っていますが、加齢とともに萎縮するのが通例です。ところが知的好奇心が高いと、委縮のペースが遅いのです。脳には可塑性という特徴があります。特に子どもの発達段階では、多くの情報を吸収しながらどんどん環境適応性を上げていきます。神経細胞の必要な道を太くして、そうではない道を壊していくわけです。例えば10歳くらいまでに英語を勉強したり、スポーツの訓練を受けたり、楽器を練習したりすると、急速に上達することがあります。これはまさに、可塑性によるものです。それぞれの分野の道を、脳の中にたくさんつくっているのです。一方、大人になると、脳の必要な道はだいたいでき上がります。英語にしろスポーツにしろ、大人になってから始めてもなかなか上手くならないのは、そのためです。しかし、可塑性はゼロになるわけではありません。子ども時代ほど柔軟ではないのですが、何か訓練を受ければ、多少は道をつくったり壊したりという作業も行うのです。つまり、何かをマスターするには子どものころから始めるのが1番ですが、大人になってからでもけっして遅くはないということです。それも20~30歳代のみならず、60~80歳代からでも、難しくはなりますが可能なのです。もちろん、その道のプロになるとか、オリンピック選手になるといった可能性は限りなくゼロに近いです。こういう領域に到達するのは、やはり子どものころから特別な教育を受けた人でなければ難しいでしょう。しかし趣味として本人が楽しむ分には、レベルはまったく関係ありません。例えば経営者として多忙な身でありながら、60歳を過ぎてからピアノを始めた方がいます。あるいは70歳になってから英語をマスターした方もいます。おそらく世の中には、こういう方はたくさんいると思います。ならば年齢とは関係なく、むしろ何かを始めなければ損という気がしてこないでしょうか。

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2017年

4月

01日

「ハイ」になりすぎも注意

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。「臨死体験」というものが、しばしば話題になります。瀕死の状態から生還したとき、その間の経験を当人が語るもので、例えば「暗いトンネルを通る」「亡くなっている家族に会う」「天井から自分の身体を見下ろしている」などがよく挙げられます。これは人種や宗教などに関係なく、ほぼ共通して見られるようです。これを「死後の世界」とするのは非科学的ですが、色々な国、色々な世代の方が体験している以上、現象としては間違いなく存在すると思います。このとき、脳は「死」という最大のストレスを受けて、いわゆる「脳内麻薬」を発生させているのかもしれません。「脳内麻薬」とは、具体的にはエンドルフィンやエンケファリン等の物質のことで、まさに麻薬に近い立体構造をしています。病気ではありませんが、生体の防御反応の一種で、痛みや不安を和らげようとしているわけです。言い換えるなら、それだけ過度なストレスを受けているということです。瀕死とまではいかなくても、脳内麻薬は発生します。例えば長距離ランナーによる「ランナーズハイ」もその1つです。究極のストレス回避策であり、出れば脳や身体にいいというものではありません。あるいは日常的に仕事をしていて「ハイ」な状態になることもあるでしょう。仕事に熱中するのは悪いことではありませんが、これも脳内麻薬が出ているためだと思います。逆に言えばストレスからの防御反応であり、それだけ負担がかかっているということなので、そのことを心に留めておいたほうがいいでしょう。 

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